
ラエド・オマリ
アンマン:ヨルダンのビシェル・アル・ハサーウネ首相は28日、昨年10月の就任以来初となる内閣改造を実施した。
内閣改造を承認する国王令も28日に発布された。観測筋は、今回の内閣改造は新型コロナウイルス感染症流行に対処に政府が苦慮していることの反映だと語っている。
水灌漑大臣にはムハンマド・ナッジャル、文化大臣にはアリ・アイド、運輸大臣にはワジ・アゼイザ、法務大臣にはアハマド・ジアダットが、農業大臣にはハレド・フネイハートの各氏が任命された。
同国王令はまた、教育大臣および科学研究大臣にはムハンマド・ハイル・アブー・クダイス、法務大臣にはマフムード・ハラブシェ、労働大臣にはマエン・カタミン、メディア担当大臣にはサヘル・デュディン、内務大臣にはマゼン・ファラヤの各氏を任命をそれぞれ承認した。
新閣僚たちは、アブドゥッラー国王の前で宣誓を行い無事就任した。
アブドゥッラー国王は昨年10月に、アル・ハサーウネ首相に対しオマル・ラッザーズ前首相の内閣の後を継ぐ新内閣を組織するよう命じていた。政府は1月16日、下院の信任投票で勝利した。
政治アナリストのアブデルハフェズ・ラウト氏は、アル・ハサーウネ首相が就任後まだ間もないうちに内閣改造を行ったのは、新型コロナ感染症の流行がつ続く中で政府内が混乱していることへの対応だと指摘する。
「今回の改造は、政府が新型コロナに対処する能力を持っていないか、または対処するための整理された戦略を持っていないかのどちらかであることを示すものです」とラウト氏は言う。
政治評論家のハレド・クダ氏は、現在の政府の動きは、これまでのヨルダン政府と同様のパターンに陥っていると指摘し、過去の政府は「国民の失望を和らげようとして、新たな選択肢を明確な戦略もなくただ試すことを目的として」しばしば内閣改造に訴えてきた、と述べた。
クダ氏はさらに、例えばラッザーズ前政権は、2年余りの在任中に5回もの内閣改造を行い、52人にのぼる大臣を任命したと語った。
「今のような混沌とした状態の唯一の解決策は、進歩的な選挙法を取り入れて本格的な議会制による政府を実現することなのです」とクダ氏は言う。