
バグダッド:教皇フランシスコは月曜日、イラクの社会の主流から外れた少数派キリスト教徒に、共存、許し、平和のメッセージで希望をもたらそうとして旋風を巻き起こした歴史的なイラク訪問を終えた。
教皇と随行団は、バグダッド空港でのお別れのセレモニーで見送られることになった。イラク全土の5つの州を対象にした4日間にわたる教皇の訪問に続き、教皇は同空港からローマに向けて出発する予定だ。
南部のナジャフでは絶大な影響力を持つシーア派聖職者である大アーヤトゥッラーのアリー・アル・スィースターニーとの歴史的な対面による会談を行った南部のナジャフから、イスラム国グループのテロの犠牲者であるキリスト教徒と会い、彼らが生き延びた証言を聞いた北部のニネヴェに至るまで、全ての訪問先で、教皇フランシスコは、イラクの人々に多様性を受け入れるよう促した。
行く先々で教皇を一目見ようと人々が大勢集まり、コロナウイルス感染の不安を煽ることとなった。フェイスマスクを着用している人はほとんどおらず、日曜日のイラク北部での教皇フランシスコの訪問時には特にそうだった。この日は、スタジアムでの野外ミサで幕を閉じ、1万人近くが集まった。警備は厳重で、ほとんどのイベントは厳重に管理された。
公衆衛生の専門家は今回の訪問に先立ち、ほとんどの人がワクチン接種を受けておらず、ますます悪化する感染拡大に苦しんでいる国では、大規模な集会がコロナウイルスの大規模感染を引き起こすイベントになる可能性があるとして、懸念を表明していた。教皇と随行団はワクチン接種を受けているが、ほとんどのイラク人は受けていない。
イラクはコロナウイルスの更なる波の真っ只中にあり、英国で最初に出現した新しい、より感染力の強い株により、感染拡大に拍車がかかっている。保健省の数字によると、イラクの当局は3月6日に4068人の新規感染者を確認し、年始の感染者数から著しい上昇となった。合計72万人の感染者のうち、1万3500人が死亡している。
AP通信