
・ガザ地区では8,500人ほどが接種を受けたことが分かった。
・一部の人々は摂取による副作用の可能性を恐れており、ソーシャルメディアで不安を分かち合う動きが広がっている。
ガザ:ガザ地区のクリニックでCOVID-19の予防接種を待つ、パレスチナ人の弁護士、リーナ・アル・タークさんは、接種を受けることに関して、保守的な飛び地で感じた周りからのプレッシャーを思い出していた。
「あなた、正気?、大丈夫かどうか分かるまで待った方がいいよ、という人もいました」と、彼女は述べた。
200万人が暮らすこのガザ地区は、2月からロシア、アラブ首長国連邦、国際的なCOVAXプログラムの寄付による約83,300回分のワクチンを受け取っているが、当局者によると、この飛び地では8.500人ほどが摂取を受けているにすぎないことが分かっている。
イスラム主義のハマスが支配するガザ地区では、ワクチンに対する疑念が深く浸透しており、コロナウイルス感染者は57,000人、死亡者は572人と確認されている。ロックダウン制限は最近、緩和されている。
一部の人々は摂取による副作用の可能性を恐れており、ソーシャルメディアで不安を分かち合う動きが広がっている。
世界では何百万回分ものCOVID-19ワクチンが投与されている。
世界の科学や医療の専門家と同様に、ガザ地区のMajdi Dhair保健副局長も、ワクチンは安全だと繰り返した。
「すでに8,500人が(接種を)受けたという経験がここにはあります」と彼は述べた。
短期間の頭痛や熱など、一部の人々が軽度の副作用を起こしているが、「感染を予防するためにワクチンが提供する大きな利益には比べようがない」と、彼は述べた。
Dhair氏は、ガザ地区の保健当局は、医療従事者や基礎疾患のある人々など、リスクが高いと思われる約15万人を優先すると述べた。
「26,000人しか登録していません。最小限の数字です」と、彼はソーシャル・ネットワークでの誤情報を問題の一旦として挙げながら述べた。
ガザ地区のとある通りで、アーメド・ナセルさん(57才)は若者が描いた予防接種に賛同する壁絵に寄り掛かった。壁絵には、ギザギザの歯をした”コロナウイルス”が描かれ、女性を引き寄せようとしており、2人の若者が彼女の手を掴んでいる。「自分自身を守ろう」と、絵の横にスローガンが書かれている。「協力し合えば、お年寄りを守れる」
政府職員のナセル氏は納得していない。
「もちろん、私はワクチンを受けません。ソーシャルメディアで、血栓ができる場合があると言われていますからね」と、彼は述べた。
これに対し、イスラエルが占領するヨルダン川西岸地区では、10万人のパレスチナ人がワクチンを受ける登録をしており、同地区の当局はイスラエル、ロシア、COVAXから76,700回分の寄付を受けている。
ヨルダン川西岸地区もガザ地区も、ワクチンの接種開始で世界を先導しているイスラエルにはるかに遅れを取っている。
ロイター