
アラブニュース
ロンドン:国連の人権専門家たちがレバノン政府に対し、著名な知識人でヒズボラ批評家のルクマン・スリム氏暗殺に関する「信頼できる効果的な調査の確保」を要求した。
「スリム氏殺害から1ヶ月以上が経っても、国家レベルで講じられた調査措置は意味のある結果につながっておらず、現在の調査の有効性に関して懸念が出ている」と、国連人権理事会の3人の特別報告者は述べた。
「政府は調査の独立性と公平性を保証する措置を早急に実施し、責任者が特定され確実に責任が問われるようにする必要がある」
スリム氏はイランが支援するヒズボラに対する遠慮のない批評家だったため、多くの人々が同氏の殺害の背後にはこのグループが存在すると推測している。
スリム氏(58才)は2月4日に車の中で6回射撃され、そのうち3発は頭を撃たれた。同氏はヒズボラが支配していると言われるレバノン南部の地区で発見された。
同氏は殺害される前、もし自分が殺されたとしたら、「その背後にいる存在は誰もが知っているだろう」と述べていた。
超法規的殺害、司法の独立性、および表現の自由を専門とする専門家たちは、「スリム氏の殺害は彼の市民参画運動に関連しており、人権擁護者、記者、活動家たちに対する逮捕、威嚇、脅迫、暴力の急増が報告されている状況において、レバノン市民の参画余地後退を象徴しているように見える」と述べた。
彼らはさらに、「説明責任が欠如している中でのスリム氏の殺害は、レバノンの表現の自由に対し深刻な萎縮効果を及ぼすかもしれないことを、深く懸念している」と付け加えた。
国連によれば、スリム氏は、昨年ベイルート港で爆発した硝酸アンモニウムが大量に供給された方法と、国内にあった理由を調査していたという。この爆発では200人以上が死亡し、数千人が怪我を負った。
「爆発事故とスリム氏暗殺の間の関係性に関する疑惑は、十分に調査されるべき」と、専門家たちは述べた。
当時、米国のドロシー・シェイ駐レバノン大使はこの殺害を非難し、「決して忘れることのできないこのような許しがたい野蛮な行為により、偉大な人物を失ったことを悲しく思う」と述べている。
同大使は、「この凶悪な犯罪の犯人を知る必要性」を強調し、「スリム氏が設立した機関を支援し続ける」ことを誓った。