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国連、1か所を越境してのシリアの反政府勢力地域への支援を承認

13 Jul 2020
2020年7月11日、シリア北西部のイドリブ県マーラトミスリンの近く、イドリブ県とアレッポ県のシリア難民キャンプで、テントの隣に立つシリア人女性。(AFP)
2020年7月11日、シリア北西部のイドリブ県マーラトミスリンの近く、イドリブ県とアレッポ県のシリア難民キャンプで、テントの隣に立つシリア人女性。(AFP)
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Updated 13 Jul 2020
13 Jul 2020

ニューヨーク:ロシアは、主に反政府勢力に支配されているシリア北西部への人道支援物資の輸送をトルコからのたった1か所の通行所に制限し、欧米諸国が130万人の生命線を断つような動きを安保理に強制させたことで、同盟関係であるシリアのための勝利を獲得した。

ロシアは土曜日に、支援は国内から対立線を越えて届けられるべきで、必要なのは1か所の通行所のみであると主張している。

安保理の大多数とともに国連関係者と人道主義団体は、これを不服だと主張している。金曜日に開設期間が終了する2か所の国境通行所は、特に最近この地域で初めて新型コロナウイルス感染の報告がされたこともあり、シリア北西部の数百万もの貧しい人々を支援するために不可欠なものであった。

トルコの1か所の国境通行所からの越境を承認する安保理の決議案は12-0で採択され、ロシア、中国、ドミニカ共和国は棄権した。

この投票ではロシアと中国が他の13の理事国に対立し、1週間にわたって激しい議論が行われた。圧倒的多数がトルコからの2か所の通行所の使用を延長するために2度投票を行なったが、ロシアと中国は両方の決議に拒否権を行使した。2011年にシリア内戦が始まって以来、これをめぐるロシアの拒否権行使はこれで15回目、16回目となり、中国は9回目、10回目となる。

ドイツとベルギーは広く支持される2か所の通行所の使用への決議案を支持していたが、最終的にはロシアの拒否権の行使に引き下がらざるを得ない形となった。両国が土曜日に提出した決議案では、1年間トルコからの1か所の通行所の使用のみを承認している。

1月にもロシアは拒否権を行使し、トルコからシリア北西部への支援物資輸送のための国境通行所を4か所から2か所に減らす決議を安保理に強制的に採択させ、シリアに勝利をもたらしている。また2014年に国境を越えた輸送が始まってから、1年間の支援期間を半年間に減少させている。

土曜日に決議案が採択される以前、理事会はシリアに対する米国とEUの制裁が人道支援を阻害していることを示唆した内容を含む、ロシアの2つの修正案を却下している。その主張の中で、制裁には人道支援の免除が含まれているとの指摘があり、トランプ政権とEUはこれを激しく否定した。また中国からの修正案も却下された。

ロシアのドミトリー・ポリアンスキー国連副大使は投票後、ロシア政府は最初からバブ・エル・ハヴァからイドリブへの、1か所の国境通行所を提案しており、土曜日の決議は数週間前に採択されていてもおかしくなかったと語った。またロシアが棄権したのは、決議案をめぐる議論が「不手際で無礼」であったためだと語った。

ポリアンスキー副大使は、欧米諸国が一方的な制裁に言及したことで、国境を越えた支援を危険にさらす恐れがあると述べ、これらの国が理事会で「前代未聞の」偽善を行なっていると非難した。

また同氏は、国連はこの地域では存在感がないため、シリア北西部への国境を超えた支援は国際法に準拠していないと述べ、この地域は「国際的なテロリストと戦闘員」に支配されており、誰が支援を受けるのかを管理、監視することは不可能であると語った。

ドイツのクリストフ・ホイスゲン大使は、ロシアは対立線を越えた支援輸送について語っているが「実際は起こりえない」と反論した。

同氏は、助けを必要とする数百万人に支援物資を効率的に輸送するために、1月に閉鎖されたイラクからシリア北東部へ越境するアル・ヤアルビーヤ通行所を含む、支援のための複数の国境通行所を維持するという立場で戦ったと語った。またポリアンスキー副大使に尋ねた。「これが不手際なのか?」

「これが、人々にとって最適な状態にするために数週間にわたり我々が戦った結果だ」と、ホイスゲン大使は語った。

ケリー・クラフト米国大使は理事会で「バーブ・サラーマとアル・ヤアルビーヤ国境通行所が失われるという今日の結果に、我々はうんざりし、激怒している」と語った。

「この鍵のかかった門の向こうには、世界が彼らの嘆願を聞いてくれていると信じる、何百万人もの女性や子ども、男性がいる。彼らの健康と福祉は今大きな危険にさらされている」と同氏は語った。

それでもクラフト氏は、ロシアと中国の「人道支援の劇的な削減を強制するために拒否権を行使する意思」を考慮した上での、12ヶ月のバブ・エル・ハヴァ通行所経由のアクセスの承認を「勝利」であると語っている。

「この重々しい勝利により、シリアで高まるヒューマンニーズに取り組む我々の戦いを終わらせてはならない。戦いはまだまだ終わらない」とクラフト氏は語った。

ベルギーとドイツは共同声明の中で、アレッポ地域には80万人のシリア難民を含む130万人が住んでおり、その中にはバーブ・サラーマ通行所を利用して人道支援を受けた50万人の子どもたちも含まれている、そして今その支援は打ち切られてしまった、と語った。

「今日はまたもや悲しい日となってしまった。理事会にとってだけでなく、その地域のシリアの人々にとって悲しい日になってしまったと言える」と両国は語った。「アル・ヤアルビーヤとバーブ・サラーマは、価値のある人道支援を可能な限り効率的な方法で輸送できる、重要な国境通行所であった」。

また後の声明では「1か所の国境通行所では不十分だが、通行所がなければ地域全体の運命が問われることとなる」と付け加えている。

AP

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