
ナジア・フサリ
ベイルート:レバノンのミシェル・アウン大統領は火曜日、同国の新政権樹立をめぐる政治的行き詰まりを克服するため、外交支援を求めた。
この動きは、月曜日のサード・ハリリ次期首相との会談で、アウン氏が提案された政府で「ブロッキング・サード(blocking third)」の導入を主張したため、新内閣についての合意に再び失敗した後に起こった。
サウジアラビアのワリド・ビン・アブドラ・ブハリ駐レバノン大使は、火曜日にアウン氏の元を訪ねた2人の外交官のうちの1人だ。
「私は、サウジアラビアがレバノンの主権、独立、領土の一体性に取り組んでいることをアウン大統領に伝えました」と、ブハリ氏はほぼ2年ぶりにレバノンを訪れた後に語った。
「私は、国際社会の信頼を回復できる抜本的な改革の実施を進めるために、国益を最優先することの重要性を強調しました」
また、ブハリ氏は各政党に対し、レバノン国民の願望を実現できる政府の形成を加速するよう呼びかけた。
「サウジアラビアは常に、危機に直面しても揺るがない、兄弟のようなレバノンの人々への支持と連帯を常に表明してきました」と同氏は述べた。
フランスのアン・グリオ駐レバノン大使も火曜日にアウン氏と会談したが、声明は出さなかった。
政府樹立の試みが失敗に終わったことで、火曜日には治安と経済に関する懸念がさらに高まった。ドルの為替レートは1ドルあたり15,000レバノンポンド(LBP)に達し、1日で4,000LBPの増加となった。
私はアウン大統領に、サウジアラビアはレバノンの主権、独立、領土の一体性に取り組んでいると伝えた。
ワリド・ビン・アブドラ・ブハリ、駐レバノンサウジアラビア大使
治安筋がアラブニュースに語ったところによると、経済危機の間に武装強盗が増加し、政府の財産が盗まれる事態にもつながっているという。
いくつかの地域では、スクラップとして売る目的で鉄のマンホールのふたが道路から盗まれる一方、鉄塔を支えるスチールメッシュの角部分が泥棒に奪われたため、ベッカー北部にある高圧線の鉄塔が倒壊したと伝えられている。この倒壊により、デイルアマール発電所と他の発電所を結ぶ送電線が切断された。
レバノンの国営電力会社であるエレクトリシテドゥ・リバン(EDL)は、次のように述べた。「他の鉄塔の角部分も盗まれ、倒れる危険性のあることがわかりました。修理には時間がかかり、外貨での資金調達も困難な状況です」
同国の危機的状況を受けて、国連のレバノン担当副特別調整員であるナジャット・ラシュディ氏は、政治指導者に行動を起こすよう呼びかけた。
「レバノンの指導者たちは、意見の違いを脇に置き、責任を引き受けて現在の停滞した状態を終わらせるべきです。そして、人々の切実な訴えに耳を傾け、解決策を提供すべきです」 とラシュディ氏は述べた。
「国連は、レバノンの人々と同国の安定、政治的独立、主権を支援することに引き続き取り組んでいます」
ホッサム・ザキ事務次長補佐官が代表を務めるアラブ連盟は、「国益を最優先し、国民の苦しみを悪化させている政治的こう着状態を克服するため、早急に取り組むよう」各政党に呼びかけた。
スカイニュースによると、ザキ氏は、アラブ連盟のアフマド・アブルゲイト事務総長がレバノンの政治紛争に大きな懸念を抱いており、同国が深刻な危機に向かっていると感じている、と述べた。
「アラブ連盟は、次期首相が政府の形成を可能にする合意された解決策を見つけるために、要請されることは何でもする準備ができています」とザキ氏は述べた。
「政府は、専門家の技術を通じて運営されるべきです。それは、レバノン国民の野心と願望に応えるために必要な改革を実施し、困難な現状からレバノンを救うためです」
アントニオ・グテーレス国連事務総長は月曜日、マロン派大主教のベチャラ・ブトロス・アルライ氏に電話をし、「レバノンの状況に大きな関心を持っている」ことを表明し、政府を樹立してレバノンをあらゆる紛争から遠ざけることの重要性を強調した。