
アラブニュース
ロンドン: ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領が先週、女性に対する暴力と家庭内暴力の防止と撲滅に関する欧州評議会条約からトルコを脱退させたことを受け、トルコが「前例のない」規模で「人権保護を破壊している」と非難した。
この動きは、トルコの検察長官が、野党である親クルド派の人民民主党(HDP)を、「国家と国との不可分の一体性に反する行為」をしたとして活動停止にする計画を発表したことを受けたもので、全国の都市で党員の逮捕が相次いる中での出来事だ。
HRWのケネス・ロス事務局長は、エルドアン大統領が「トルコ社会の再構築に向けた幅広い取り組みを妨げるあらゆる機関や社会の部分を標的にしています」と述べる。
「議会の反対勢力、クルド人、女性に対する最近の動きは、人権と民主主義の保護に違反して、大統領が権力を維持するためのものです」
HRWは、エルドアン大統領が宗教的に保守的な層にアピールするために、イスタンブール条約として知られる「画期的な」欧州評議会の条約を「武器」にしていると非難した。
「今回の(条約からの)離脱決定は、トルコにおける女性の権利を守るための闘いを大いに後退させるものであり、政治的スペクトラムを問わず、すべての女性にとって大きな打撃となります」とロスは述べる。
HRWは、HDPの活動停止計画は、何百万人ものクルド人の民主的権利に対する攻撃であると言う。また、トルコでは過去30年間に他の5つのクルド人政党が閉鎖されていると彼は付け加える。
「2018年の総選挙で全国的に11.7%の票を獲得し、55人の選出議員を擁する政党を閉鎖するための訴訟を開始することは、政治的結社と表現の権利に対する大きな攻撃です」とロスは述べる。
「この動きは、600万人近くの有権者が選んだ代表者を否定し、投票権を侵害することになりかねません」
HRWによると、トルコの検察長官は、HDPに対する広範な弾圧の一環として、687人のHDPメンバーを政治活動から追放することも求めている。