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レバノンでは子どもたちが学校に通えないという「教育の大惨事」が起きている:慈善団体

幸運にも学校に通うことができた子どもたちは、「推定で最大11週間の教育」を受けているが、シリア人の子どもたちの場合はその時間数がさらに少なくなる。(AFP通信)
幸運にも学校に通うことができた子どもたちは、「推定で最大11週間の教育」を受けているが、シリア人の子どもたちの場合はその時間数がさらに少なくなる。(AFP通信)
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01 Apr 2021 04:04:18 GMT9
01 Apr 2021 04:04:18 GMT9
  • セーブ・ザ・チルドレン:昨年に新型コロナウイルスの大流行が始まって以来、レバノンでは120万人以上の子どもたちが学校に通えていない

ベイルート:危機的状況にあるレバノンでは、パンデミックと景気後退が相まったことで、新型コロナウイルスの規制で何ヶ月も学校に通えていない子どもたちが、二度と教室に戻れなくなる可能性があると、英国を拠点とする慈善団体が警告した。

「レバノンの社会的・経済的危機は教育の大惨事に変わりつつあります。弱い立場にある子どもたちは、学校に二度と戻れないという現実のリスクに直面しています」とセーブ・ザ・チルドレンは4月1日に発表された報告書で述べた。

このリスクは、半数以上が貧困状態にあるレバノンの家族だけでなく、数十万人のパレスチナ人とシリア人の難民にとっても現実のものとなっている。これら難民たちは、レバノンの幾重の危機により事態が複雑になる以前から、すでに教育を受けるのに苦労していた。

「多くの家族は学習機器を買う余裕がないか、収入を子どもたちに頼らなければなりません。そのため、貧困は子どもたちが教育を受ける上での大きな障害となっています」と同慈善団体は述べた。

セーブ・ザ・チルドレンによると、レバノンでは昨年に新型コロナウイルスの大流行が始まって以来、120万人以上の子供たちが学校に通えていない。

同慈善団体によると、幸運にも学校に通うことができた子どもたちは「推計で最大11週間の教育」を受けたが、シリア人の子どもたちの場合はその時間数がさらに少なくなるという。

その一方で、同国は1975年から1990年の内戦以来最悪の経済不況に陥っており、家族は電子機器や十分なインターネット接続を手に入れる余裕がない。そのため、「遠隔学習はますます多くの子どもたちの手の届かない」ものとなっている、と同慈善団体は述べた。

セーブ・ザ・チルドレンは、アダムという11歳の子どもの事例を挙げた。彼は、1台のスマートフォンを2人の姉妹と共有して使っている。そのため、インターネットを使うには、隣の家に行かなければならない。

同国の危機的状況は改善する兆しが見られない。人々の購買力をむしばむ通貨切り下げにより、レバノンポンドは闇市場でドルに対する価値の85%以上を失っている。

「たくさんの子どもたちが、二度と教室に戻れない可能性があります。というのは、すでに大幅に学習機会を逃しているため、または子どもたちを学校に通わせる余裕が家族にないからです」と、同慈善団体のレバノン事務所代表であるジェニファー・ムーアヘッド氏は述べた。

「スーパーマーケットや農場で働く子どもたち、結婚を余儀なくされる少女など、私たちはすでにこの状況がもたらす悲劇的な影響を目の当たりにしています」と同氏は付け加えた。

AFP通信

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