
ドバイ、アラブ首長国連邦: イランの外相が火曜、ナタンツにある主要な核濃縮施設への攻撃は、瀕死の状態にある世界の大国との核合意をめぐり現在ウィーンで行われている交渉に影響を与えるだろうと警告した。
モハンマド・ジャバド・ザリフ外相がロシアのセルゲイ・ラブロフ外相を訪問すると共に行ったこのコメントは、米国がナタンツ核施設で日曜に起こった妨害工作とは何の関係もないと主張したことを受けて出された。
イスラエルはこの攻撃を主張していないものの、同施設の遠心分離機に損害を与えた依然原因不明の攻撃を実行したのは同国であると広く信じられている。
「アメリカ人は、制裁も妨害行為も交渉のための手段にならない事を知っておくべき」と、ザリフ外相はテヘランで述べた。「彼らは、それらの行為が自分たちにとって状況を難しくするだけであることを認識するべきだ」
強硬派のテヘランの新聞ケイハンは、イランに「ウィーンでの交渉から離脱し、核に関する全ての約束を停止し、イスラエルに対して報復し、妨害工作の背後にある国内の潜入ネットワークを見つけ出して解体する」ように促した。
「イランに対する核妨害工作の主要な扇動者としての米国の役割を示す証拠にもかかわらず、残念ながら一部の政治家は、責任を担う米国を排斥することによって、イラン国民に対するワシントンの犯罪を助長している」と、同紙は火曜の紙面で述べた。
ケイハン紙の発行部数は少ないものの、編集長のホセイン・シャリアトマダリ氏は最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ氏によって任命されており、過去には同氏の顧問として説明されていた。
2015年の合意を主な外交成果とするハッサン・ロウハニ大統領政権は、米国が合意に再加入し、何としてでも必要な制裁措置の緩和を行うことを望んでいるため、そのような離脱は依然として起こりそうにない。しかし、攻撃への反応方法をめぐり、イランの神権政治内での圧力が高まっているようだ。
日曜の早い時間にナタンツで起こったことについて、詳細な情報はまだ十分に出揃っていない。この出来事は当初、地上の作業場と地下の濃縮ホールに電力を供給する送電網の停電としてのみ説明されていたが、後になってイラン当局が攻撃と呼び始めた。軍事や諜報機関と親密な関係にあるイスラエルのメディアは、この妨害工作をサイバー攻撃と説明したが、それを裏付ける証拠や情報源は示していない。
ナタンツの損害の範囲もまだ不明であるが、イランの外相は、イランの核開発計画の主力である第一世代IR-1遠心分離機に損害を与えたと説明している。イラン革命防衛隊の元隊長が火曜、攻撃が火事を引き起こしたと述べた一方で、民間の核開発計画担当広報担当者は「小規模な爆発の可能性」と言及した。
同国の民間核機関の元責任者は、月曜の遅い時間に国営テレビで放映されたコメントで攻撃に関して独自の説明を行い、その計画を「非常に美しい(よく出来ている)」と呼んだ。攻撃はナタンツの送電網と、予備バッテリーで電力を供給する同施設の緊急バックアップ用電源の両方を狙ったように見えると、同フェレイドゥン・アッバシ氏は述べた。
アッバシ氏によれば、2012年に同じような攻撃がイランのフォルドー地下施設を狙い、2つの爆発を引き起こしたという。1つは発電所から30km(18.5マイル)離れた場所、もう1つはフォルドーの緊急バッテリーシステムだった。
「我々はそれを予測しており、別の送電網を使っていた」と、アッバシ氏は言う。「彼らは命中させたものの、機械類には何も起こらなかった」
イラン中央部にあるナタンツがどの電源に頼っているかは、まだ不明である。衛星写真には、施設の北西の角に変電所が写っている。
AP