
元イスラエル国連大使ダニー・ダノン氏は水曜日、バイデン大統領にイランに譲歩しないよう強く要請し、イランに新しい核兵器協定に従うようにさせるような厳しい移行を求めた。
ダノン氏は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が属する政党ワールド・リクードの委員長で、またパレスチナの指導者には直接的な和平会談に参加するよう強く要請し、パレスチナ国家が入る余地があると主張した。
アメリカ・アラブ・ラジオネットワークで放送されているThe Ray Hanania Showに姿を現したダノン氏は、イランを脅威と呼び、「包括的共同作業計画(JCPOA)」として知られる2015年に締結されたイラン核合意が廃止されたほうが良いだろうと述べた。
「私たちはイランが脅威であることを知っている。イスラエルに対して。中東に対して。そして世界の安定性に対して。私が立てたい第二の仮説は、2015年に調印された合意、すなわちJCPOAは、悪い合意であったということだ」とダノン氏は述べた。
「今日、合意はより良いものではなく、より悪いものですらある。今や問題はアメリカが何をするかだ。私は新政権が現行のJCPOAに無修正で再加入しないことを望む。そうすることは悪いことだろう。そうすることは政権がイラン人たちに譲歩しようとしていることの兆候になるだろう。」
多岐にわたるラジオインタビューのなかで、ダノン氏は、もしJCPOAが廃止されないのならば、それは修正されるべきだと述べた。
「第二の選択肢は、彼らが合意を改善しようとすることだ。そしてもし彼らがそれを試みるならば、私たちには合意の中で何が改善されるべきなのかについてのいくつかの考えがある」とダノン氏は述べた。
「査察。弾道ミサイルテスト。サンセット条項。何十億ドルもの金を彼らは代理人に与え、テロを助長させている。私たちはその件についてアメリカと共に歩むことができるだろう。しかし、いまだバイデン氏が修正を推し進めるのに乗り気であるのかどうか、あるいは、合意への復帰に乗り気であるのかどうかははっきりとしていない。」
ダノン氏は、イランに対する制裁がイランが協議に参加している唯一の理由だと述べた。彼は、バイデンと欧州諸国はイランに対する警戒を解くべきではないと述べ、いかなる制裁の緩和もイランの核兵器造成計画をつけあがらせることになるだろうと主張した。
「制裁は役に立たなかったと言うことはできない。今日彼らが交渉に参加しているのは、制裁のためだ。イラン政府に対する制裁を、私たちは続けるべきだと私は考えている」とダノン氏は述べた。
「もう一方では、彼らは長期間政権を保持している。私たちは4年間のサイクルを見ている。トランプ大統領。バイデン大統領。ネタニヤフ首相。彼らは長期政権をもくろんでいるが、そうしたことは彼らが大変危険であることの理由である。」
ダノン氏は、イスラエルはパレスチナ国家を支持すると述べる一方で、いかなる合意や最終的な国境の決定も、イスラエル当局とパレスチナ当局間の直接的な協議によってすべてなされなくてはならないと注意を促した。
「私たちは直接パレスチナの人々と交渉するべきだと、私たちは考えている。ゆくゆくは部屋に入り、互いに直接的に話し合う両国にならなくてはならないだろう」とダノン氏は言った。
「しかし、それにはリーダーが必要だ。私はアッバース大統領が正しいリーダーだとは思わない。彼は彼の任期を、実質的に協定を結んだり、実質的に妥協策を成立させたりする者に、歴史上ならないで終えたがっているように、私には思われる。私たちは次の世代が登場し、協定や妥協策について希望をもって協議するのを待たなくてはならないことになるから、それは不幸なことだ。」
ダノン氏は、エジプト大統領アンワル・サーダートとイスラエル首相メナヘム・ベギン間で行われた協議を、歩み寄りと相互尊重を通じていかに平和が達成されうるかを示した例として挙げた。
「1973年の血まみれの戦争の4年後、アンワル・サーダートはイスラエルの地に足を踏み入れ、イスラエルの議会に歩み寄り、私たちは彼を信じた。私たちは彼はパートナーだと信じたのだ」とダノン氏は述べた。
パレスチナ国家を支持するのかどうかを尋ねると、ダノン氏は言った。「私のゴールは、イスラエルの幸福と安全を危険にさらすことなしに、可能な限りの自由をパレスチナの人々に与えることだ。だから、問題はどこに線を引くかである。」
「それは土地の問題ではないと私は考えている。ユダヤとサマリアという土地を私はよく知っている。私はあなたに―私は先週家族とそこを訪れたばかりだ―ユダヤとサマリアの土地の大部分が使われていないことを伝えることができる。そこは不毛地帯だ。そこには何もない。土地をめぐって現に私たちが争っているのは問題ではない。パレスチナ人のための場所がある。ユダヤ人のための場所がある。それはもっと認識についての問題だ。それはもっと、両者がここにとどまり、最終的には私たちは協働しなければならないだろうという事実の、実際のところの認識についての問題だ。」
デトロイトのWNZK AM 690、ワシントンD.C.のWDMV AM 700上のアメリカ・アラブ・ラジオネットワークで放送されるラジオインタビューの中で、ダノン氏はドナルド・トランプ前大統領によって締結されたアブラハム協定が、パレスチナの人々も含めた中東全域にわたっての平和の青写真の役目を果たしうると思っていると述べた。
「私はそれは正しい方向の重要な一歩だと考えている。私はそれがプロセスを助けるだろうと考えている。ゆくゆくは、それはパレスチナの人々が厳しい決断を下すのを助けるだろう」とダノン氏は述べた。
「私たちがパレスチナの人々と交渉を始めるとき、私たちはそのリーダーを部屋に入れるべきであると私は個人的に思っている。私たちは地域の課題と地域の機会について考えるべきである。パレスチナの人々はここにいて、私たちもここにとどまっている。私たちは共に生き共に働く方法を習得しなければならない。しかし、私はそのプロセスにおける他の穏健派のリーダーの存在が助けになりうるということを確かに信じている。」
しかし、ダノン氏は、5月22日に行われることが予定されているパレスチナ立法評議会選挙と7月31日に行われることが予定されているパレスチナ大統領選では、ハマスが多数派を占めることになるだろうことを危惧している。ハマスは、包括的平和協定を弱体化させるためにテロと暴力に加担したことで告訴されているが、現在拠点としているガザ地区に加え、ゆくゆくは占領されているヨルダン川西岸地区を支配するようになるだろう。
「実際、私はハマスが引き継ぐだろうという感触を得ている。それは過去の選挙でも起こったことだ。それは再び起こりうる。私はプロセスに関わることはしないし、私たちもプロセスに干渉することはない」とダノン氏は述べた。
「しかし、パレスチナ自治政府内のいくつかの派閥争いがファタハ側から巻き起こり、ハマスが1つのリストにしっかりと取り組んでいるのをあなたは目撃する。私はそこで何が起こるのか分からないが、私たちが最も目にしたくないものは、ユダヤとサマリアを乗っ取るハマスだ。」
ダノン氏はまた、ラマダーンを行う人々に挨拶をした。「この機会を利用して、恵みの多いラマダーンをお祈りする。世界中のすべての同朋に幸せなラマダーンあれ。」
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