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ラマダン期間の支援呼び掛けが始まる中、「過去100年で最悪の人道危機」に直面するイエメン

2021年2月18日、北部都市マリブ郊外にある国内避難民向けJaw Al-Naseemキャンプで座っているイエメンの子どもたち。(AFP通信/資料写真)
2021年2月18日、北部都市マリブ郊外にある国内避難民向けJaw Al-Naseemキャンプで座っているイエメンの子どもたち。(AFP通信/資料写真)
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16 Apr 2021 04:04:09 GMT9
16 Apr 2021 04:04:09 GMT9

アラブニュース

  • 「多くの家庭が食卓に食べ物を並べることができない」と慈善団体がアラブニュースに語った
  • 英国政府からの援助が大幅に削減されることになった

ロンドン:英国の慈善団体ムスリム・ハンズのイエメンにおける活動の責任者は、イエメンの状況を「過去100年で最悪の人道危機」と呼んだ

アブドル・ラーマン・フセイン氏はアラブニュースに対し、イエメンは飢餓に直面しており、3,000万人を超える人口の80%が人道的支援を必要としていることから、飢餓を食い止めるための資金が緊急に必要だと話した。

同氏はまた、英国政府からの援助が大幅に削減されることになった中、イエメンの医療・教育システムが完全に崩壊していることを強調した。

「援助は十分ではありませんでした。そして、今回の削減は状況をさらに悪化させるでしょう。食糧安全保障と医療は最も大きな打撃を受けます。そして、イエメン人の大部分はNGOと援助に依存しています」とフセイン氏は述べた。

フセイン氏の発言は、イスラム教徒が聖なる月ラマダンを迎える時期に行われた。ラマダンは伝統的に、多くの人が慈善活動にザカート(喜捨)を行うことを決める時期で、イスラム教の慈善団体が年間収入の大部分を受け取る期間でもある。

昨年、ムスリム・ハンズはラマダン期間中に年間収入の約3分の1を集めた。同じくイスラム教の慈善団体イスラミック・リリーフは、同時期に全提供資金の40%を受け取っているとガーディアン紙に語っている。

毎日の断食と祈りを特徴とするラマダン期間は、今年、イエメンの多くの人々にとって困難なものとなるだろう。

「今年のラマダンの食糧価格は非常に高く、これは多くの家庭が食卓に食べ物を並べることができないことを意味します」とフセインは言う。

「戦争前、為替は1ドル=214イエメン・リヤルでした。しかし、現在は1ドル=1,000イエメン・リヤル近くになっています」

ムスリム・ハンズはガーディアン紙に対し、イエメンで使用するために600万ポンド(827万ドル)を集めたいと語った。ムスリム・ハンズはイエメンで大規模なパン製造所を運営しているほか、困窮する家庭のために、小麦粉、油、米などの十分な量の必需食料品を1か月分ずつ配布する食料小包プログラムを実施している。 

「我々は、できる限りのことをしようとしています。主なプロジェクトは、アデンに2つ、マリブに1つあるパン工場です」とフセイン氏は話した。

「この地域は国内避難民(IDP)の数が最も多く、そのほとんどが女性、子ども、障害者であることから、この地域を支援の対象にしました」とフセイン氏は付け加えた。

「我々のパン工場を通して、毎日合計で28,000人に対する支援を行っており、毎日56,000個のパンを配布しています。ニーズが非常に大きいため、網羅的な受益者の順番待ちリストがあります」

イスラミック・リリーフはガーディアン紙に対し、英国の援助費削減にもかかわらず、イエメンのプロジェクトへの一般市民からの寄付が増加していると述べた。

イスラミック・リリーフのイエメン部門責任者ムハンマド・ズルカルナイン・アッバス氏は、同団体は毎月最大で230万人の人々を支援しているが、多くの人々は依然としてスフールやイフタールに必要な食料が十分になく、水を飲むことしかできないと述べた。

「人々は夕方、単なる水で断食を解くことを余儀なくされていますが、その水さえも清潔ではありません」とアッバス氏は話した。

フセイン氏は次のように話した。「人口170万人が住む暫定首都アデンでは、各家庭は3日に1度しか水を受け取れず、時間的な制約があります。その時間を過ぎてしまうと、さらに3日間待たなければなりません」

ムスリム・ハンズは、アデンに新しい水供給設備を設置するための支援を行うことを目指しているとフセイン氏は付け加えた。「古い水供給設備は50年以上前のもので、(戦前の)人口は30万人以下でした。古いままの水供給設備と人口の増加により、新しい設備と投資の需要は以前にも増して大きくなっています」とフセイン氏は述べた。

「イエメンは戦争の前から貧しい国でしたが、戦争によってさらに荒廃した光景が広がっています」

フセイン氏は、ラマダン期間中に子どもたちに食料を届けることは、さらに差し迫った問題だと付け加えた。

ユニセフによると、今年は230万人ものイエメンの子どもたちが栄養失調の危険にさらされている。 

「我々の学校給食プログラムは、タイズ市の4,000人の学生を対象に、毎朝朝食を提供することで大きな成果を上げています」とフセイン氏は話した。

「これらの子どもたちのほとんどにとって、これが唯一の食事です。親たちは、食事が与えられることを知っているので、子どもたちをこの学校に通わせたいと思っているため、非常に多くの待機者がいます」とフセイン氏は付け加えた。

「我々がこの学校を訪れたとき、校長は、毎朝5人の子どもたちが食料不足のために失神すると話していました。このような子どもたちの多くは、少なくともまる1日は何も食べていなかったでしょう。この学校の35%は孤児で、43%は国内避難民です」

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