
イスタンブール:トルコ外務省がアンカラで米国大使を呼びつけ、オスマン帝国時代に起きたアルメニア人強制送還及び集団殺害を「ジェノサイド」とする決定に対して抗議した。
セダト・オナル外務副大臣がデイヴィッド・サッターフィールド氏と会見し、政府としての強い非難を表明した、
「この声明は国際法の見地からも法的根拠がなく、トルコ国民の心情を害するものであり、傷口を広げて関係修復を難しくするものだ」と外務省は述べた。
4月24日(土)、ジョー・バイデン米国大統領は選挙戦での公約に従い、1915年に始まって150万人のオスマン・アルメニア人を集団殺害した事件を「ジェノサイド」と認定した。この声明はオスマン帝国で起きた強制送還、集団虐殺、およびデスマーチ(死の行進)についてのことだ、と慎重に定義されている。「その痛みがわかる。史実を肯定する。我々がこの声明を出したのは、非難するためではなく、そのような出来事が二度と繰り返されないようにするためだ」
このホワイトハウスの宣言は直ちにトルコ高官らからの非難声明を受けた。しかし、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領からはこの件についての発言はない。
トルコは、第1次世界大戦時代の戦闘ではトルコ人とアルメニア人の両方が殺害されたとして、それについて言及することを拒否しており、調査をするための合同歴史委員会を呼びかけている。何年もの間、アルメニアの歴代大統領は「ジェノサイド」という言葉を使うのを避けており、アルメニア側はこれを「Meds Yeghern(大罪)」と呼ぶ。
この発表があった現在、トルコと米国の関係には様々な問題が生じている。米国は、NATOのメンバーがロシア製のS400防衛システムを購入したことを受け、トルコの国防省関係者に制裁を課し、トルコを戦闘機ブログラムから外している。トルコ政府の方は、同国が何十年もの間攻防を続けている反乱に関連するシリアのクルド人兵士たちを米国政府が支援していることに不満を抱えている。
トルコはフェトフッラー・ギュレン氏の引き渡しについても要求している。彼は2016年にエルドアン政権に対する流血のクーデターを企てた容疑で訴えられているトルコの聖職者だ。ギュレン氏は現在米国に在住し、関与を否定している。
エルドアン大統領とバイデン大統領は4月23日(金)に米国大統領選以来初めての電話会談を行った。
大統領報道官を務めるイブラヒム・カリン氏は、4月25日(日)にこの様にツイートしている:「エルドアン大統領はトルコの国立公文書館を開いて1915年の事件を調査するための合同歴史委員会を呼びかけたが、アルメニア側からの応答はない。@POTUS らがこの単純明解な事実を無視して、無責任かつ不道徳な立場をとっているのは遺憾である」
AP