世界の人口学的不平等はより大きな課題となり続けている。戦争と疾病がますます顕著になり、食糧安全保障の必要性が高まる中、将来の展望を理解することが政策立案者や実務者にとって重要である。
長期的な人口傾向は政府の政策や国際政治に様々な面で影響を与える。2080年までの世界人口の規模や年齢・性別構成の予測では、労働人口が減少し、監督者とそうでない者との間の溝が広がるとされている。巨大都市での戦争・暴動や気候変動をめぐる考えがより速く影響を与えるようになったため、実務者は主要な負の傾向を阻止するために迅速に行動する必要がある。死亡率、出生率、移住のパターンに対する影響のための一貫した機能的データモデルを、人口動態の動揺により欠乏に苦しむ国の仕組みに織り込むことが重要である。
この半世紀で世界の人口は急速に高齢化した。一部の国では、生産年齢人口の減少と高齢化が既にあるいは近い将来に長期化し、適切な訓練を受けた労働力に対する大きな負の影響が示唆されている。しかし、これは将来的に予測される事態とは比較にならない。人口の年齢構成に注目した新しいアプローチが必要である。研究によると、高い年齢層は、価格がリセットされる頻度が低い傾向にある商品よりも、サービスを購入する割合の方がはるかに高いことが分かっている。
トレンドラインは、国とその人口動態の結果が、個人と、国を不平等から救い出すために使われる方法との間の、将来の争いの前兆であることを示している。 中国は、貿易物流ネットワークと投資パターンを外交政策モードとする一例だ。中国政府は2013年、インド洋を横断し地中海まで続くいわゆる「21世紀海上シルクロード」を含む「一帯一路」構想を打ち出した。現在では中東を経由する経路も存在する。
中国では新型コロナ感染者の新たな急増に伴いロックダウンが復活しつつある。様々な変異株が現れ、長期的な副作用による後遺症が出始めている。遺伝的・系統的な障害は労働に影響を与えるだろう。この種の行動は中国のいくつかの都市だけでなく、「一帯一路」構想の発展に関係する国々において、日常活動を停止させるために使われている。サプライチェーンの停止は食料不安の蔓延につながる。経済刺激策や食料不安への対処戦略を策定する際には、弱い立場の人々にもっと注意を払う必要がある。
年齢と地方の問題も、人口動態の観点で今後の課題を複雑にしている。現在、年齢は大きな問題となっている。世界の高齢化が進み、発展途上国の高齢化はほとんどの先進国よりも速く進行している。高齢者依存率、平均寿命の上昇、一人当たりの国内総生産は、いずれも労働力生産性に影響を与える。
一方、多くの発展途上国では、貧困層における金融排除が貧困の削減における大きな障害となっている。現在、いくつかの場所における動乱で損害が発生している。解決策は、人と人とのつながりにおける携帯電話や通信の重要性に注意を払うことかもしれない。このアプローチは現在進行形で、通信競争の中で現在重大なアップグレードが行われている。しかし、これらのネットワークは、ある種の間引きに近い行為よって労働力に損害を与えたと将来の世代が見なすかもしれない事態のベースラインを形成している。
2080年までの世界人口の規模や年齢・性別構成の予測では、労働人口が減少し、監督者とそうでない者との間の溝が広がるとされている。
テオドール・カラシック博士
最後に、食糧安全保障のための「コミュニティー」、そして究極的には人口動態に寄与するプラスの要因を実現するためには、金融リテラシー、信頼、収入の適切さが重要な構成要素となる。物価上昇、ストレスの増加、病気や疾患の継続といった、現在多くの国が置かれている種類の状況においては、政府の技術官僚機構の効率と政府の能力に対する信頼は消えてなくなり、回復どころかより多くの権利剥奪をもたらす。
全般的に、人口トレンドラインは、労働力需要の変化と組み合わせると、国際機関や政府に、より緊密に協力して不平等を是正することを求めるだろう。このような不平等が拡大すると、食糧安全保障やセーフティーネットの欠如から最も影響を受けている個人や集団による暴力的な反応をを引き起こしかねない。技術的な解決策は貴重ではあるが、最大限の利益をもたらし、将来の人類の安全を保証するためには、より賢明かつピンポイントに適用される必要がある。