
ベイルート―ベイルートの港湾地区で発生した爆発事故から数ヵ月を経た4月23日、危険物質を収納する数十個のコンテナを載せた船が、レバノンの首都ベイルートからドイツに向けた航海の準備を整えた、と危険物質除去プロジェクトの幹部が述べた。
危険物質を除去する任務を負うのはドイツ企業のコンビ・リフト。同港では昨年8月4日、数百トンの肥料用物質が爆発し、200人以上が死亡したほか、ベイルートの大部分を破壊した。
この物質を収納したコンテナ全59個が23日、船に積載された。
コンビ・リフトのヘイコ・フェルダーホフCEOは、除去した化学物質はドイツ国内で処分されると述べた。
「船は既に準備を整えており、週末には(ドイツに向けて)出航する」。フェルダーホフ氏は、港で行われたセレモニーでこのように述べた。
レバノン・ドイツ・ビジネス協会のエリアス・アソウアド代表は、このプロジェクトにより、「ここに数十年間も保管されていた、有毒で発がん性や可燃性があり、非常に反応性が高い化学物質をすべて除去した」と述べた。
このドイツ企業は、「危険物質を収納したコンテナ49個のみ処理する」と予想されていた、と同代表は述べた。
しかし、同社は最終的に、「75個以上を処理しており、うち59個を今回、船に積み込んでいる」と同代表は付言した。
また、同氏は、今回積み込まれないコンテナの15個については、安全で環境面に配慮した手続きにより、ここの現場で処理される」と述べたが、その詳細には触れなかった。
今回の除去作業を管理する化学物質の専門家は2月の処理作業を終えた後、AFPの取材に対し、レバノン政府は、化学物質に起因する2度目の偶発的な大火災を避けただけだったと述べた。
マイケル・ウェントラー氏は、「このような状況は今まで見たことがない」と話し、有毒な化学物質の混合物が非常に腐食していたため、巨大な輸送コンテナに穴をあけ、それを突き抜けて燃え上がったと説明していた。
また同氏は、今回コンビ・リフトが処理する化学物質の60%は、腐食性が高く有害な塩酸だと述べた。
AFP