
エフレム・コサイフィ
ニューヨーク: 国連の人権問題専門家らは火曜日、イラン当局に対し、政治活動家で映画監督のモハンマド・ノウリザド氏を直ちに釈放するよう求めた。
専門家らは、適切な医療措置を受けさせなければノウリザド氏の健康や生命に危険が及ぶと警告し、この件は、イランで拘束される多くの政治活動家が直面する状況を物語っているとした。
「モハンマド・ノウリザド氏が収監に耐えられる病状でないことは明らかだ」とジャバイド・ラーマン氏を始めとする国連イラン担当人権問題特別報告者らは、共同声明を出した。
専門家らは、イラン司法当局直属の法医学研究機関を始めとする医療専門が出した検査結果を引用し、ノウリザド氏の健康状態は、適切な医療措置を否定すれば「拷問といった冷酷で非人道的で下劣な処遇」にも匹敵し得るほど悪化していると述べた。
また、「モハンマド・ノウリザド氏が、自分の意見を表明したことで不当な扱いを受け、収監され続けていることに対して、我々は深刻な懸念を抱いている」と付け加えた。
68歳の映画監督である彼は、2019年6月に憲法改正と最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師の辞任を求めて他の14名の活動家らと共同署名した公開状の件で、2020年2月に有罪判決を受けた。署名者全員が逮捕された。
ノウリザド氏は、「国家攪乱を目論む不法集団に所属した」罪で禁固7年半、「反国家プロパガンダ活動」で反政府グループに関与した罪で1年半など、複数の判決を受けた。
収監中ノウリザド氏は、自身の投獄や当局による家族への不当な扱いに抗議するハンガーストライキや薬の服用拒否などを実行しており、一番最近では今年3月10日に始めた。また、拘留中に自殺を図り、2月には自傷行為という形の抗議も開始したという。
国連の専門家らによると、ノウリザド氏は心臓病と診断されており、刑務所内で度々意識を失っているという。先月にも意識を失い、気づいたときには、自身の同意なしに正体不明の物質を注射されている最中であったという。彼は、その注射や注入された物質の情報についての調査を求めたが、当局はそれに対して応えていない。
イランでは、表現の自由の権利を行使しただけで多くの人々が逮捕されていると国連専門家らはいう。そのような拘留は、「市民権および政治的権利に関する国際規約」に定められた複数の人権関連義務に対する明らかな違反だと専門家らはイラン政府に釘を刺した。
「我々は、人権を行使して投獄された人々を含む収監者たちが、適切な医療措置を否定されたり、不必要に妨害されたりすることを深刻に憂慮している」と専門家らは述べた。
「極端な事例では、適切な医療の否定が死にも繋がっている。イラン政府や司法当局は、国内法だけでなく、国際的な人権義務やマンデラ・ルールに記載されている収監者の最低限の処遇基準に則り、すべての収監者が適切な処置を受けることを保証する義務がある」