
ガザシティー:ジョー・バイデン大統領が、イスラエルとハマスの11日間の戦闘を停止する取り決めを称賛し、ガザへの人道支援と復興支援を約束した。この11日間の戦闘は、バイデン大統領に交渉技術あるのかどうかを試すものとなり、仲間の民主党員から同大統領は批判に晒されていた。
また、停戦協定のニュースの後、ホワイトハウスで少しだけ顔を見せたバイデン大統領は、懸案となっているアメリカのイスラエルへの武器販売に関して、民主党左派議員たちから不満が起きるにもかかわらず、イスラエルのアイアンドーム防空システムを補完するとも約束した。
アメリカは「迅速な人道支援を提供し、ガザの人々のための、そしてガザ復興の取り組みへの国際支援をまとめるために」、国連とその他の世界の利害関係者を通じて活動する、とバイデン大統領は述べた。
復興支援はハマスではなく、パレスチナ自治政府と協力して提供する、と同大統領は主張した。アメリカはハマスを、テロ組織に指定している。
しかし、穏健派のマフムード・アッバース大統領が率いるパレスチナ自治政府は、占領されたヨルダン川西岸地区を部分的に統治しているにすぎず、その一方、ガザ地区ではハマス実効支配している。
「ハマスが単に軍備を補強するだけとなることを認めないためにも、私たちはハマスではなく、パレスチナ自治政府と全面協力してこれを行います」と、バイデン大統領は述べた。
バイデン大統領は5月21日、民主党が今でもイスラエルを支持しており、イスラエルとハマスの停戦が守られることを祈っていると述べた。
ホワイトハウスの記者会見で話したバイデン大統領は、双方の紛争解決には、二国家解決しかないと語った。
バイデン政権は停戦に至る間、数日間水面下で動いてきたが、この地域への支援は、ハマスが軍備補強できないようにするために、占領されているヨルダン川西岸地区の欧米諸国が支持しているハマスのライバル、パレスチナ自治政府と協力することになるだろう、とバイデン大統領は述べた。
国務省のネッド・プライス報道官が、アントニー・ブリンケン国務長官は近日中にこの地域を訪問し、イスラエル・パレスチナ・地域のカウンターパートと会って、復興の取り組みや、イスラエルとパレスチナのより良い未来を構築するための共同の取り組みについて話し合うことになっていると述べた。
ガザの救急隊員たちが21日、ガザのトンネルと思われていて、イスラエルの空爆を受けた場所の瓦礫から、5人の遺体を収容し、生存者約10人を救出した、と医師と目撃者たちは語った。
収容された遺体により、5月10日以降、イスラエルの空爆による死亡者数は、子ども66人を含めて、243人となっている。
戦闘員たちも、死亡者数の中に入っている、とハマスは述べた。
あるハマス関係者が、イスラエルがエルサレムでの暴力を止めて、ガザ空爆の被害に対応しなければならないと語り、我々のグループ、ハマスは今でも「引き金に指」を掛けていると警告した。
「本日闘いが終わったのは事実ですが、(イスラエルの首相、ベンヤミン)ネタニヤフと全世界は、我々の指が引き金に掛かったままであることを知るべきであり、我々はこうした抵抗する能力を高め続けていくでしょう」と、ハマス政治局の一員、エザット・エル・レシク氏が述べた。
ハマス運動の要求は、エルサレムのアル・アクサ―・モスクの保護と、レシク氏が「越えてはならない一線」と称した、東エルサレムの自宅から数組のパレスチナ人家族の立ち退きを中止することも含まれている、とレシク氏は語った。
「『エルサレムの剣』作戦の後に起きたことは、以前に起きたことと同じではありません。なぜなら、パレスチナの人々がこの抵抗を支持し、こうした抵抗こそが自分たちの領土を解放し、自分たちの聖地を守るのだと判っているからです」と、レシク氏は語った。
その一方で、ネタニヤフ首相の運命は劇的に変化した。同首相のライバルたちの可能性は砕け散り、ネタニヤフ首相はミスター安全保障として、頼りになる役割を担って、支持を取り戻しており、この国では、もう1つの選挙運動がじきに始まる可能性があり、その期間、ネタニヤフ首相は少なくともさらに数カ月間、首相の地位を保証されることなる。
情勢の驚くような変化が、疑問を投げ掛けている。その疑問とは、ネタニヤフ首相の生き残ろうとする死に物狂いの行動が、この国を現在の苦境に追い込んでしまったのではないのか、というものだ。ライバルたちはこのような陰謀を企んだことで、ネタニヤフ首相を非難することまではしないが、このような疑問が生じているという事実は、十分な選挙での不安材料になると語っている。
ロイター通信/AFP通信