Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • 米・ブリンケン国務長官、ガザ地区の再建支援を表明 ハマスは除外すると明言

米・ブリンケン国務長官、ガザ地区の再建支援を表明 ハマスは除外すると明言

2021年5月25日にテルアビブに到着し、イスラエルのガビ・アシュケナージ外相と言葉を交わすアントニー・ブリンケン米国務長官。(ロイター)
2021年5月25日にテルアビブに到着し、イスラエルのガビ・アシュケナージ外相と言葉を交わすアントニー・ブリンケン米国務長官。(ロイター)
2021年5月25日にベン・グリオン国際空港に到着し飛行機から降りる際、イスラエルのギル・ハスケル外務省儀典長の出迎えを受ける、アントニー・ブリンケン米国務長官。(ロイター)
2021年5月25日にベン・グリオン国際空港に到着し飛行機から降りる際、イスラエルのギル・ハスケル外務省儀典長の出迎えを受ける、アントニー・ブリンケン米国務長官。(ロイター)
2021年5月25日にイスラエルのテルアビブにあるベン・グリオン空港に到着し、イスラエルのガビ・アシュケナージ外相と言葉を交わすアントニー・ブリンケン米国務長官。(ロイター)
2021年5月25日にイスラエルのテルアビブにあるベン・グリオン空港に到着し、イスラエルのガビ・アシュケナージ外相と言葉を交わすアントニー・ブリンケン米国務長官。(ロイター)
Short Url:
26 May 2021 12:05:13 GMT9
26 May 2021 12:05:13 GMT9
  • ブリンケン国務長官は、イスラエルのネタニヤフ首相・パレスチナ自治区アッバス議長と会談
  • ブリンケン氏は「深刻な人道的状況」に対処し、再建を開始すると表明

エルサレム:中東訪問中のアントニー・ブリンケン米国務長官は25日、イスラム原理主義組織ハマスとイスラエル間の停戦維持強化に向けた取り組みの一環として、アメリカ政府がガザ再建を支援すると表明した。

しかしブリンケン氏は、アメリカ政府がテロ組織指定するハマスが人道援助から利益を得ることはないと明言した。ガザ地区はハマスが実効支配しており、援助の実施には困難が予想される。

ブリンケン氏の中東訪問のスタート地点はエルサレムで、ベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談した。ネタニヤフ首相はブリンケン氏との共同記者会見で、ハマスが境界線を越えてロケット攻撃を再開した場合には「非常に強力な対抗措置を講じる」と警告した。

ネタニヤフ首相はイランについてコメントし、イスラエルはイランから自国を防衛する権利を常に留保し、アメリカ政府がイラン核合意に復帰しないよう望むと述べた。

一方ブリンケン氏は、ハマスの攻撃に対するイスラエルの自衛措置をアメリカ政府は全面的に支持し、ガザ地区の再建を目的とした経済支援からハマスが利益を得るのは阻止すると述べた。

ブリンケン氏はさらに、今回の中東訪問は地域の緊張緩和が目的だと述べた。

ブリンケン氏の訪問に合わせる形で、イスラエル当局は5月10日から11日間続いたガザ境界線をまたぐ戦闘が開始して以降初めて、ガザの民間部門に割り当てられた燃料・医薬品・食糧のガザ地区への搬入を許可すると発表した。

ブリンケン氏は、占領下のヨルダン川西岸地区ラマッラーやカイロ、アンマンも合わせて訪問し、アメリカ政府は停戦が継続する「あらゆる希望や期待」を望んでいる、とある国務省高官が述べた。

「最も重要な目的は停戦を維持させ、必要な人々に援助することだ」と同高官は24日に匿名を条件に述べた。エジプト政府がアメリカと協力し、今回の停戦を仲介した。

しかし国務省高官は、より広範囲な和平交渉の再開を話し合うのは時期尚早との認識を示した。イスラエルでは2年間で4回総選挙が行われても与党が決まらず政治が流動化しており、パレスチナ自治区ではハマスと西側諸国が承認するマフムード・アッバス議長側が対立している。

ここ数年で最悪となったハマスとイスラエル間の戦闘は開始から11日が経過した5月21日に、アメリカの協力を得たエジプト政府の仲介により停戦が実現した。5日目となる今日も停戦が継続している。

「戦闘の再発を防ぐには、多岐にわたる根本的な問題点や課題について話し合う場を設置する必要があると認識している」とブリンケン氏は述べた。

「そのためにはまず、ガザ地区における深刻な人道的情報に対処し、再建を開始しなければならない」

アメリカ政府はガザ地区再建を支援するよう国際社会に働きかけ、当日中に発表する独自の「大規模な経済援助」を実施する、とブリンケン氏は述べた。

「全友好国と緊密に連携し、ハマスが復興支援の恩恵を受けることのないよう対策を講じる」と述べた。

ブリンケン氏は27日まで中東に滞在し、エジプトとヨルダンにも足を運ぶ。ブリンケン氏の訪問に伴い、イスラエル当局は5月10日から11日間続いたガザ境界線をまたぐ戦闘の開始以降初めて、ガザの民間部門に割り当てられた燃料・医薬品・食糧のガザ地区への搬入を許可した。

ブリンケン氏はパレスチナ自治区住民とパレスチナ自治政府との関係の再構築を望むと述べ、記者会見を終えた後占領下のヨルダン川西岸地区ラマッラーに向かい、西側諸国が承認するパレスチナ自治区マフムード・アッバス議長と会談した。

イスラエルとパレスチナ当局間の交渉は2014年に決裂していた。バイデン大統領の前任者ドナルド・トランプ元大統領は、パレスチナ自治区への経済援助を削減する一方で、イスラエルがヨルダン川西岸に多数建設した入植地の実効支配を続ける計画を支持した。

しかしバイデン大統領がイスラエル・パレスチナ間の紛争を解決する唯一の打開策は「二国家共存」だと述べた一方で、アメリカ政府高官は、今後を見据えた和平協議の再開などを話し合うのは時期尚早だと示唆した。

イスラエルでは2年間で4回総選挙が行われても与党が決まらず政治が流動化しており、パレスチナ人はハマスとヨルダン川西岸地区を支配するマフムード・アッバス議長のどちらを支持するかで対立が続いている。

ブリンケン氏は、ネタニヤフ首相とイスラエル・パレスチナが「より良い道」へと進むため、双方の指導者が取るべき「他の手段」について話し合ったと述べた。

「バイデン大統領が述べた通り、アメリカ政府はパレスチナ人とイスラエル人が共に安全かつ安定した生活を営み、同じように自由・機会・民主主義を享受し、尊厳をもって扱われる権利があると強く思う」とブリンケン氏は述べた。

パレスチナ保健当局によると、ガザ地区では少なくとも253人が死亡し、1900人以上が負傷したという。戦闘中のイスラエル軍による空爆は数百回に及んだ。

イスラエル軍によると、ロケット弾による一斉攻撃により各地でパニックが起こり、経済中心地のテルアビブですら人々が避難所に押し寄せた結果、イスラエルでは13人が死亡し数百人が負傷して治療を受けたという。

200万人が暮らすガザ地区全域で、停戦発表までに商業ビル・高層マンション・民家が損壊した。

パレスチナ当局によると、ガザ地区再建には推定で数千万ドルの費用を要するという。イスラエルは2007年以降ガザ地区を封鎖しており、パレスチナ人はこれを無差別な処罰として非難している。エジプト政府もガザとの境界線での移動制限を継続している。イスラエル・エジプト両国は、この措置を安全保障上の懸念があるためとしている。

イスラエル政府によると、今回の空爆は軍事拠点を標的とした国際法に合致したもので、民間人に死傷者が出ないよう最大限努力したという。軍事拠点としても使われている居住用ビルを攻撃開始するにあたっては、事前に警告するなどしたという。

戦闘が始まった理由の一部には、イスラエル警察がエルサレムのアル・アクサモスクを急襲し、イスラム教の聖なる月「ラマダン」期間中にパレスチナ人と衝突したことがある。

イスラエルの複数の都市でアラブ人とユダヤ人間の暴力事件も発生したため、ブリンケン氏はネタニヤフ首相とこの問題について話し合ったと述べた。

「こうした傷を癒すには、あらゆるレベルでの統率力が必要だ」とブリンケン氏は述べ、「反ユダヤ主義の衝撃的な爆発」と自ら評したアメリカ国内のユダヤ人襲撃事件に対するバイデン大統領の非難声明を繰り返した。

ロイター通信

特に人気
オススメ

return to top