
ラマッラー:アナリストによると、最近の中東紛争の激化は、地理的に分断されていたパレスチナ人社会をここ数年見られなかった形で団結させているという。
封鎖されたガザ地区、占領下のヨルダン川西岸地区、併合された東エルサレム、ユダヤ人国家に住むアラブ系イスラエル人など、散らばっていた人々が一丸となった。
特に、「怒りの日」の抗議行動や5月18日に行われたゼネストの間、分離した地域をまたいで行われた連帯集会では、パレスチナの旗が大量に掲げられた。
ヨルダン川西岸地区では、ガザへの爆撃に抗議するためだけでなく、占領下のパレスチナ領土でのユダヤ人入植地の拡大に反対するため、行政機関、学校、企業が閉鎖された。
パレスチナ広報外交研究所のサレム・バラメ所長は、「すべてのパレスチナ人コミュニティが一斉に立ち上がったことは非常に珍しいことだ」と話した。
バラメ所長は、「全国規模のストライキや抗議行動が行われ、パレスチナ人のディアスポラも参加することは非常に歴史的なことだ」と述べ、海外に住むパレスチナ人が行った集会に言及した。
イスラエル中部ロードでは、ユダヤ人ナショナリストとアラブ人の若者が衝突し、アラブ系イスラエル人のムーサ・ハスナ氏が死亡した。イスラエルに住むアラブ人は、1948年にイスラエルが建国された後も自分たちの土地に留まったパレスチナ人の子孫だ。
ヨルダン川西岸地区のラマッラーを拠点に活動するバラメ氏は、パレスチナ人の断片化は長期間にわたり、「パレスチナ人による地理的、社会的、政治的な全面的関与がないことを保証する」役割を果たしてきたと指摘する。
ガザで貧困が蔓延する一方、ヨルダン川西岸地区では一連のインティファーダ(蜂起)の後、自由主義的な経済政策がとられ、時には政治的な関与が少ないように見える中産階級が誕生したとバラメ氏は述べた。
テルアビブ大学の政治学教授アマル・ジャマール氏は、イスラエルで約20%の少数派であるアラブ系イスラエル人は一方で、独自の課題に直面していると指摘した。
「イスラエルに住むパレスチナ人は現実的で、何十年もユダヤ人と生活を共にし、イスラエル人の心理、政治、文化を理解し、ヘブライ語を流暢に話す」とジャマール氏は述べた。
「パレスチナ問題の解決につなげるために、イスラエルに住むパレスチナ人は、自らの正当性のため、そして、政治システムや意思決定の一部になるために戦っている」
研究者でパレスチナ人活動家のマリアム・バルグティ氏は、より広いコミュニティにおいて、「一人ひとりがイスラエル国家に対して異なる経験をしており、それがコミュニティごとの孤立を生んでいる。孤立によって、互いにかかわり、経験を共有することができなくなっている」と話した。しかし、最近、暴力が急増する中で、アラブ系イスラエル人は、「アラブ人に死を」と叫び、武器を持ってパレスチナ人を襲う人々に直面していることに気づいたと、バルグティ氏は述べた。
バルグティ氏は、「彼らは、これはヨルダン川西岸地区だけの問題でもガザだけの問題でもなく、アパルトヘイトの問題であり、植民地主義の問題であり、イスラエル国家の問題だと気づいた」と述べた。
米国に基盤を持つヒューマン・ライツ・ウォッチやイスラエルのベツェレムは最近、「アパルトヘイト」制度を運用しているとしてイスラエルを非難した。しかし、ユダヤ人国家はこれを強く否定している。
ジャマール氏は、今回の突発的な事態によって「皆は自分たちがいかにパレスチナ人であるかを実感した。しかし、感情と政治的意志や政治的信条には大きな違いがある」と述べている。
パレスチナ人は、ハマスとそのライバルであるファタハの間で政治的に分断されており、ファタハでは分派が出現している。
ファタハのパレスチナ大統領マフムード・アッバース氏は最近、今年15年ぶりにパレスチナで選挙を行うことを呼びかけていた。
しかしその後、アッバース氏は併合された東エルサレムでの投票制限を理由に選挙を無期限に延期したため、ハマスは「クーデター」を犯したとしてアッバース氏を非難した。
このような分裂にもかかわらず、パレスチナ人としての共通のアイデンティティが強化されているとバラメ氏は言う。
「同じ言葉を話し…… 同じ体制に抗議し、同じアイデンティティを持つことを伝えながら、統一された方法で人々が集まっているのを目にする」とバラメ氏は述べた。
「我々が目にするものすべてが、ある種の団結が存在することを物語っている。団結は完全に形づくられたのだろうか。そうではない…… しかし、私は何かの始まりだと思う」
AFP通信