
ダウド・クタブ
フィラデルフィア:リヤド・マンスール国連パレスチナ大使は、イスラエルとパレスチナの紛争を解決するための国際外交の次の段階では、イスラエルによる占領を終わらせ、パレスチナ人の独立国家を樹立することに焦点を当てなければならないと述べた。
マンスール氏はアラブニュースに対し、今年の国連におけるパレスチナ関連の取り組みは、3つの段階に分けられると話した。
「第1段階は、(パレスチナの)マフムード・アッバース大統領の呼びかけに基づく国際会議の準備だった」とマンスール氏は述べた。
マンスール氏は加えて、休止状態にあった中東カルテット(ロシア、米国、国連、EU)を復活させ、他の関係国を参加させるなど、この段階でロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が重要な役割を果たしたと話した。
「我々は、カルテットの復活と、アラブ地域や国際的な主要国を含む『カルテット・プラス』の創設をみた。カルテット・プラスには、パレスチナの選挙を妨げているエルサレムの障害を解決するための協議が求められた」とマンスール氏は述べた。
15年ぶりとなるパレスチナでの選挙は5月22日に実施される予定だった。しかし、イスラエル当局がエルサレムでのパレスチナ人による投票を許可するかどうかについての懸念が高まり、危機に瀕していた。
「9人の外務大臣がパレスチナに関する国連安全保障理事会の会合に出席して発言したこともあった」とマンスール氏は語った。
マンスール氏によると、国連での第2段階の活動は、エルサレムに住むパレスチナ人の投票権を確保することに集中していたという。カルテットがイスラエルからそのような保証を得ることができなかったため、アッバース氏は最終的に選挙を延期したとマンスール氏は付け加えた。
第3段階は、ラマダン中の4月に始まり、今月起きた11日間にわたるハマスとイスラエルによる戦闘を経て停戦まで続いた。
「我々はこの期間、エルサレムのイスラム教徒やキリスト教徒の礼拝者に対するイスラエルによる攻撃、エルサレムのシェイク・ジャラー地区やシルガン地区からのパレスチナ人家族の立ち退き、そしてダマスカス門やエルサレム旧市街での(アラブ人に対する)嫌がらせを阻止するために尽力した」とマンスール氏は話した。
国際社会がイスラエルにこれらの活動を停止するよう求めても何の反応が得られなかった為、今月、ガザでは爆発的に暴力が発生し、11日間にわたって戦闘が続いた。
「この困難な日々の中、我々はパレスチナ人に対する攻撃をただちに止めようとしたが、声明を出すという問題でさえ米国が拒否権を行使したことにより、攻撃を止めることができなかった」とマンスール氏は話した。
マンスール氏によると、非公式な場では、米政府関係者はパレスチナ人の懸念を米国政府が理解しているという安心感をパレスチナ人に与えていたが、公式の場では、米国は停戦に向けた取り組みにおいてイスラエルと協力することを選択したという。
「我々は、停戦が宣言される前は多くのことに関心を持っていたが、停戦が宣言された以降はパレスチナ人による抵抗を害したり非難したりするような言葉を使わないことを条件に、我々は停戦に同意した」とマンスール氏は述べた。
マンスール氏は、同氏は国連でパレスチナ人全体を代表しており、同氏の現在の取り組みには3つの主な目的があると断言した。
「我々は停戦が恒久的なものになること、そしてイスラエルが何の妨害もせず、国連のすべての関係機関が参加する本格的な人道支援活動が行われることを望んでいる。そして最後に、我々はイスラエルによる占領を終わらせ、パレスチナ人による独立国家の実現に向けて、即時かつ真剣な努力が行われることを確信したい」とマンスール氏は話した。