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ヨルダン、国連安保理でヨルダン川西岸地区に関するイスラエルの「虚偽」を拒否

イスラエル人入植者たちによる非合法の開拓前哨地エビアタルへの抗議行動に集まったパレスチナ人参加者たち。(AFP資料写真)
イスラエル人入植者たちによる非合法の開拓前哨地エビアタルへの抗議行動に集まったパレスチナ人参加者たち。(AFP資料写真)
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07 Jan 2023 08:01:50 GMT9
07 Jan 2023 08:01:50 GMT9
  • 物議を醸しているベン・グビール氏のアル・アクサモスク訪問についての意見の不一致を特使間の論争が反映した

レイド・オマリ

アンマン: ヨルダンは、イスラエルの主張とは異なり、ヨルダン川西岸地区を占領したことはないと述べ、係争中の地域での駐留はパレスチナ側との行政的な合意の一環だったと主張した。

木曜日に開かれた国連安全保障理事会のエルサレムについての特別会合において、イスラエルの国連大使は、ヨルダンが1950年にヨルダン川西岸地区を占領したと主張したが、ヨルダンの大使は「虚偽であり、人心を惑わす」暗示だと述べた。

ヨルダンの国連常駐代表のマフムード・フムード氏は、「1950年に起きたことは、パレスチナ人が自己決定の権利を行使するためのヨルダン側両岸の団結であり、ヨルダン政府の半分はヨルダン川西岸地区出身だった」と、述べた。

イスラエル側の言い分では、ヨルダンはヨルダン川西岸地区を1948年に占領したのだという。

ファストファクト

ヨルダン議会下院は、イスラエルの違反について討議するための特別会合を開き、イスラエルの一方的な行為への批判声明を発表し、エルサレムの聖地をヨルダンが維持管理していることへの支持を表明した。

イスラエルがヨルダン川西岸地区を占領した1967年以後も、同地区はヨルダンと行政的な繋がりを持ち続け、1989年の離脱法までは選挙区の一つとされていた。

1950年、ヨルダン川西岸地区のパレスチナのアラブ人が平等に選出されていたヨルダン議会は、残ったパレスチナのアラブ地域をイスラエルの拡大から保護するためにヨルダン川西岸地区をヨルダンに統合することを全会一致で決議した。

1988年7月31日、ヨルダンのフセイン国王は、占領されたヨルダン川西岸地区との行政的、法的な繋がりを断つと発表し、パレスチナ人たちがその将来を自身で決定出来るようにするための手だてだと述べた。

国連での2人の外交官の論争は、極右の新防衛大臣であるイタマル・ベン・グビール氏の物議を醸しているアル・アクサモスク訪問が引き起こしたヨルダンとイスラエルの間の外交上の摩擦を反映していた。

アル・アクサモスクはヨルダンが維持管理している。

ヨルダン政府はイスラエル大使を呼び出し、ベン・グビール氏の訪問が国際法にも「エルサレムの歴史的経緯と法的現状」にも反していると伝えた。

何十年にもわたって保全されてきたアル・アクサモスクは、現状、イスラム教徒の礼拝のみを受け入れている。

ヨルダン議会下院は、イスラエルの違反について討議するための特別会合を開き、イスラエルの一方的な行為への批判声明を発表し、エルサレムの聖地をヨルダンが維持管理していることへの支持を表明した。

エルサレム問題についての安保理緊急会合は、ヨルダンとパレスチナの共同要請により、UAE、フランス、中国、マルタの支持を受けて開かれた。

国連安保理会合ではいかなる行動も約束されなかったものの、理事国は懸念を表明し、エルサレムのアル・アクサモスク敷地内の現状の維持の必要性を強調した。

ヨルダンの声明を伝えた国連常駐代表のフムード氏は、占領軍に守られたイスラエルの国務大臣によるアル・アクサモスク / 神殿の山の「襲撃」を非難した。

フムード氏は、ベン・グビール大臣の訪問は「拒否され非難される挑発的な行為」だと述べ、それが「目に余る国際法違反であり、エルサレムとその聖地の歴史的経緯と法的現状の侵害」だと付け加えた。

政治アナリストのフセイン・アル・ラワシュデ氏は、イスラエルが「パレスチナとヨルダンの両方を標的とした計画を完成させた」と述べた。

ワディアラバ平和条約後29年間平和が継続したにせよ、ヨルダンはイスラエルとの「対峙の不可避性」を確信していると、アル・ラワシュデ氏は言った。

アル・ラワシュデ氏によれば、イスラエルがヨルダンに対して秘匿された計略を用意していることをすべての出来事が示しており、超正統派の極右政権の出現がその第一の決定的な証拠であるという。

ヨルダンはイスラエルからの「政治的工作だけでなく存亡の脅威」にも曝されており、そのため、「説得力に満ちた完結なストーリーと、辻褄が合い統一された国内プロパガンダに基づくヨルダンの大義」を構築する必要があるとアル・ラワシュデ氏は述べた。

アル・ラワシュデ氏のこうした分析は、イスラエルはヨルダンに対して「非友好的」な意図を持っており、長期にわたる紛争をヨルダンを犠牲にして解決しようとしているという経験豊富なジャーナリストで日刊紙アド・ダスターの元編集主幹のモハメド・アル・タル氏による指摘と呼応している。

アル・タル氏は、アル・アクサ・モスクでの違反行為の繰り返しによって、イスラエルはヨルダンに威嚇的かつ無礼な意思表示を行っているのだと断言している。

ヨルダンのアブドッラー2世国王は、最近のCNNのインタビューで、エルサレムの聖地のハシェミット家による管理へのいかなる妨害にもヨルダンは対応する用意があると述べた。

また、国王は、争いと暴力を引き起こすためにエルサレムを利用しようとする過激主義者による試みに対しても警告した。

第3次インティファーダ (対イスラエル抵抗運動としての住民蜂起) の懸念の有無について、アブドッラー2世国王は、「またインティファーダが発生すると懸念しておかなければなりません。もし発生したら、それは法と秩序の完全崩壊であり、イスラエル人もパレスチナ人も何も利益を得られないことになるでしょう」と語った。

「ヨルダンと対峙したいのでしたら、私たちには十分な準備が出来ています。(しかし、) 楽観視しておきましょう」。

「越えてはならないいくつかの線を私たちは想定しています。そうした線が越えられてしまいそうになったら、私たちは対処します。しかし、イスラエルには私たちと同じくらい懸念している人たちが大勢いるのだと私は強く信じています」と、アブドッラー2世国王は付け加えた。

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