Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • instagram
  • Home
  • 東京オリンピック聖火リレー、福島での出発を前に入り交じる感情

東京オリンピック聖火リレー、福島での出発を前に入り交じる感情

東京2020オリンピック大会の聖火リレーが出発する予定のサッカー練習施設。日本の福島県楢葉町にあるJヴィレッジ訓練センターにて2021年3月23日撮影。(資料写真/ロイター)
東京2020オリンピック大会の聖火リレーが出発する予定のサッカー練習施設。日本の福島県楢葉町にあるJヴィレッジ訓練センターにて2021年3月23日撮影。(資料写真/ロイター)
Short Url:
24 Mar 2021 03:03:36 GMT9
24 Mar 2021 03:03:36 GMT9

鷺周作は19才の時、福島にあるJヴィレッジで利用していたサッカー練習場が、近くの原子力発電所の廃炉作業員たちの拠点に変わるのを目にした。発電所は2011年の地震で機能停止となり、何千人もの人々が避難する事態となった。

木曜、この複合スポーツ施設でオリンピック聖火リレーの出発式が開催され、東京での大会開幕のカウントダウンが始まる。深刻なパンデミックの最中に開催される、初めての大会となる。

「オリンピックのような大きなスポーツイベントは、人々に元気を与え、福島のことを忘れないために世界へメッセージを送ることができます」と、Jヴィレッジでユースのサッカートーナメントを主催する、現在は29才になった鷺は述べた。

女子サッカー日本代表チームのメンバーが、ギリシャから飛行機で運ばれるオリンピック聖火を使い、トーチに火をつける。しかし、当初は日本の復興を祝って数千人のファンたちのために計画されていたこの出発式は、一般には公開されない。

リレーの最初の区間には観客が入れられない。離島を含む日本全国の47の都道府県で約10,000人のランナーがトーチを持つが、見物人はマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを守る必要がある。

この4ヶ月にわたるイベントは、何人かの有名なランナーの参加中止に見舞われてきた。通知の遅れと、パンデミック中に群衆を引きつけることに関する懸念から、それらの有名人が辞退したためだ。

リレーを監督する川村裕美によれば、主催者たちはころころと変わる情報や、変化を続けるパンデミックの状況、国や地方自治体との交渉をやりくりする「クレイジーな日々」を送ったという。

「人々には肩が触れ合う距離で立たないようにお願いしています。もし本当に密集してしまったら…状況が危険だと感じれば、リレーを一時中止します。その後、当該エリアの安全を確保できてから、再開します」と、川村は述べた。

日本のコロナウィルスによる死者は9,000人未満で、ほとんどの国よりも上手くやってきた。しかし、感染の第3波が感染者数を過去最高に押し上げ、東京や他の地域での非常事態宣言を引き起こした。宣言は今週、解除された。

世論調査によると、国民の過半数が、オリンピックが予定通り開催されることに反対している。

「取り残されている」

福島の原発事故の後、政府は発電所周辺20キロ(12.4マイル)を立ち入り禁止区域とし、Jヴィレッジを数千人の原発除染作業員が保護具を着用するための準備センターに変えた。

「子供の頃のプレーグラウンドが廃炉作業のための拠点に変わるのを見て、たとえそれが重要な役割を担うのだとしても、悲しい気持ちになりました。以前のようには決して戻らないと思ったからです」と、Jヴィレッジの鷺は述べた。

福島出身の鷺は、8歳から高校を卒業するまで、ここで練習した。

時が進むに連れ原発労働者たちは去り、Jヴィレッジの再建が2014年に始まった。その2年後、現在はユースのサッカートーナメントを主催している鷺は、放射線レベルを測定する任務を与えられた。

この会場からリレーが出発するのは、テーマである「復興オリンピック」を強調することが意図されている。この地域を復興するための日本の約3,000億ドル規模の努力を称えるテーマである。

しかし、住民の中には、鷺の熱意と、福島を紹介する政府の取り組みに対する苛立ちを共有しない人たちもいる。

発電所周辺の広大な地域が未だに立入禁止となっており、放射線に関する懸念も残る。ここを去った多くの人たちは、他の土地に定住してしまった。廃炉作業は最大で1世紀の時間と数十億ドルの費用がかかる。

発電所の50キロ南にある磐城市の漁業組合で働く柳井孝之は、「復興オリンピック」のコンセプトは地元の人々に広く共有されていないと述べた。

「福島沖の沿岸漁業の漁獲高は、いまでも以前の約20%」と、柳井は言う。「我々は再建から取り残されているのではないかと心配している」

ロイター

topics
特に人気
オススメ

return to top