
ベイルート:シリアのバッシャール・アサド大統領が95%の得票率で大統領第4期目を勝ち取ったが、海外ではその選挙が「茶番」だとして一笑に付される。
現在対立抗争はほぼ停戦状態で、国の経済は破綻しきっているが、アサド氏が戦後の統治を開始するにあたって、その優先事項は一体何なのか?
95.1パーセント。アサド氏が5月27日(水)の大統領選で勝利を収めた公式の得票率だ。その数字のあらゆるパラメーターが、アサド氏と彼の率いるバアス党 によってコントロールされていた。
彼の得票数1,350万票は、一部の監視者が現実的な総投票数として予測した数字をはるかにしのいでいた。5月28日(木)、選挙結果が発表される数時間前から公共の広場には何千人もの市民が集まっていた。
「95.1%のシリア国民の表意をもって、バッシャール・アサド氏がシリア・アラブ共和国の大統領となった」これが5月29日(金)に親政府派の日刊紙アル=ワタンの第一面を飾った。
厳選された彼の二人の「対立候補」は5%以下の得票数で、当選発表のあったアサド政権は、選挙をきっかけとしてこれまで以上に包括的な政治の幕開けとすることもできるという提案を一切受け付けない模様だ。
「シリアを改革するという国際的な外交努力はすでに途絶えており、独裁体制のもとで95.1%の票がアサド氏に投じられたこの選挙は、シリアの棺桶に打ち込まれた最後の釘となる」とワシントンDCのニューラインズ研究所のアナリスト、ニコラス・ヘラス氏は言う。
選挙結果が発表された直後、アサド氏はシリア再建の「作業段階」が始まると発言した。彼の政権はシリア領土のおよそ3分の2のみを統治し、一部の地域はアサド政権自身の軍隊による爆撃によって廃墟と化している。
かつてアサド氏の退陣を主張していた米国やフランスなどの欧米大国は、今回の選挙を「自由でも公正でもなく」「茶番」にすぎないと評した。
「このように表現する他には、彼らはほとんど影響力を持たない」とベイルートのセント・ジョセフ大学の中東アナリスト、カリム・エミール・ビター教授は言う。
しかし、ビター教授によると、長期的にはアサド大統領自身が「イランとロシアをはじめとする彼の地域的後援者に対する人質」となったように感じることになろうという。
「遅かれ早かれ、ゲームの流れは変わり、対抗勢力がトンネルの向こうに光を見るようになるだろう。それがシリアの歴史の新たな時代の幕開けとなることを願う」と彼は言う。
「しかし、正直なところ、現段階ではそうした楽観的な見方をする理由がほとんど見当たらない」とビター教授は述べた。
AFP