
テヘラン:イラン首都テヘランの製油所で大規模な火災が発生し、3日には鎮圧されたが、まだ完全な消火までには至っていない。
危機対策当局によると2日午後7時30分(日本時間3日午前0時)、ガス管からの漏えいにより爆発が起きた後、大火災が発生し11人が負傷したという。
国営イラン通信(IRNA)は3日午前に、トングーヤン石油化学の広報担当者シェイカー・カファイ氏の「製油所の火災は鎮圧された」との発言を引用して報じた。
AFP の現地特派員によると、前日に比べて勢いは弱まったものの、火災現場では午後3時ごろになっても黒煙が立ち上る様子が確認できたという。
国家救助隊のモジタバ・カレディ報道官はAFPの取材に対し「消火活動に当たっていた消防士9人を含む11人が負傷した」と述べた。
消防士3人を含む4人が入院を余儀なくされたと付け加えた.
国営テレビは、消防隊が消火活動に当たる映像を放映した。
当局は事件原因の調査を開始した。
製油所はテヘラン郊外の大規模工業地帯にあり、住宅地からわずか数百メートルしか離れていない。
IRNA によると、この製油所は1968 年から稼働しており、1日あたり の処理能力は25万バレルだという。
イランでは産業事故が多発している。
現地メディアの報道によると、5月23日にはイラン中部の爆発物製造工場で爆発事故が起き9人が負傷した。その3日後にはアラビア湾近くの石油化学コンビナートでパイプラインが爆発し、1人が死亡したという。
その一方で、イラン政府は昨年核施設で起きた2回の事故が破壊工作によるものとの烙印を押し、宿敵イスラエルを最有力容疑者とみなしている。
一部のイラン人は様々な事故の原因が、イスラエル工作員の破壊工作によるものとみている。一方で、アメリカ政府による経済制裁の方が事故多発の原因としては可能性が高いとみる人もいる。世界からほぼ完全に孤立した状態にあるため、産業用設備の維持管理が困難になっているからだ。