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「彼女は人が近づくと叫ぶのです」トラウマを抱えるガザの子供たち

イスラエル - パレスチナ戦闘中のイスラエルによる空爆で破壊された自宅から助け出されたパレスチナ人少女スージー・イシュクンタナと遊ぶ心理学者(ファイル/ロイター)
イスラエル - パレスチナ戦闘中のイスラエルによる空爆で破壊された自宅から助け出されたパレスチナ人少女スージー・イシュクンタナと遊ぶ心理学者(ファイル/ロイター)
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10 Jun 2021 12:06:31 GMT9
10 Jun 2021 12:06:31 GMT9
  • イスラエルとハマスの戦闘はガザの子供たちに傷を残している
  • ガザのほぼ半数の若者が精神的サポートを必要としている

ガザ:イスラエルによる空爆で破壊された自宅の瓦礫の中からスージー・イシュクンタナちゃんが助け出されて3週間が経つが、この6歳の少女はその日に亡くなった母親と4人のきょうだいの消息を尋ねる以外はほぼ言葉を話していない。

彼女の生活は一変し、現在スージーとその父親は叔父と一緒に暮らしているが、叔父によると彼女はほぼ食事を摂らず、あまり眠らず、遊ぶ気力もないという。

「彼女はしょっちゅう母親の事について尋ねてくるので、お母さんは天国にいるんだよと答えています」と、スージーの叔父であるラムジは語った。彼女は以前はとても元気な女の子だったと言う。

「彼女は遊ぶこともせず、人が近づくと叫ぶのです」

ユニセフ(国連児童基金)当局によると、5月の11日間にわたるハマス指導者とイスラエルの戦闘の後、ガザの半数、つまり約50万人の子供たちが精神的なサポートを必要としているという。

イスラエルによるガザ空爆で死亡した250人を超えるパレスチナ人には、少なくとも66人の子供が含まれていた。イスラエルではガザ武装組織のロケット弾によって、数千ものイスラエル人家族が空爆シェルターに避難した。避難は数時間に渡り、子供2人を含む13人が死亡した。

スージーの自宅は5月16日のイスラエルのガザ市への一連の攻撃により破壊され、ガザの保健省によると、この攻撃で10人の子供を含む42人が死亡した。

イスラエルは、この攻撃はハマスが武器輸送に使用する地下トンネル設備を狙ったものであり、住宅が破壊されたのはトンネル網の崩壊の結果だと述べた。

イスラエル軍は、一般市民の犠牲は意図したものではなく、一般市民への危害は避けるべく最善と尽くすと述べていた。

スージーの元へは、トラウマ対応の心理学者が定期的に訪れている。日曜日のアートセラピーのセッションでは、スージーはいとこ達と一緒に静かに座り、自分たちの名前を紙に描いていた。

名前の横に、スージーは2つの大きなハートを赤く描いた。

「彼女は家族の膝元から、母親の膝元から引き離されたのです…彼女が死なずに生き残ったのは奇跡でしょう」スージーのケースを担当している心理学者のサマル・アワドは言った。

「次の戦争はいつ?」

ガザの約2百万の人口の半分が18歳未満だ。その多くが、2008年以降のイスラエル対ガザ武装組織による3度の戦争と数回の武力衝突によるトラウマを抱えている、と心理学者は言う。

ユニセフのパレスチナ事務所特別代表ルシア・エルミ氏は、今回の5月の紛争の前でさえ、3人に1人の子供が精神的・社会的サポートを必要としていたと言う。

「現在、評価が行われている最中ですが、この数は子供50万人に達する可能性があり、以前より増加しています」彼女は記者たちにそう述べた。

未成年の若者を専門とする精神科医であるサミ・オワイダ氏は、鬱や不安感はガザの子供たちの間で最も一般的な精神的問題だと述べた。

「それはつまり自己肯定感が無いという事です。自分には何も無い(と感じる)。無力で希望も無く、無価値だ(と感じる)」と彼は言う。

オワイダ氏はまた、トラウマが原因で多くのガザの子供たちに夜尿、吃音が見られ、悪夢を見たり食事を拒否したりしていると述べる。

絶望感はどうしようもなく人を打ちのめすものだ、とオワイダ氏は言う。

「今の多くの子供たちの疑問は — 次の戦争がいつなのか…自分たちはどうすれば良いのか、どこに行けば良いのかと尋ねています」

 

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