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パレスチナ人、イスラエルの新政権は「これまでの政権と変わらない」と警告

イスラエル当局が漁場を6海里に縮小したことに反対して、ガザの海港で抗議デモを行うパレスチナの漁師たち。(資料/AFP通信)
イスラエル当局が漁場を6海里に縮小したことに反対して、ガザの海港で抗議デモを行うパレスチナの漁師たち。(資料/AFP通信)
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15 Jun 2021 03:06:26 GMT9
15 Jun 2021 03:06:26 GMT9
  • 占領は、テロ行為や侵略行為をやめない治安・軍事システムによって行われている。

ハゼム・バルーシャ

ガザ:パレスチナの政治関係者らは、パレスチナはベンヤミン・ネタニヤフ首相の任期終了後、イスラエルの政策、特にガザに対する政策が急激に変化することを期待してはならないと警告した。

ナフタリ・ベネット氏が率いるイスラエルの新政府の樹立に関しての意見は、依然として分かれている。

一方、パレスチナの各派は、新政権はこれまでの政権と変わらないだろうという意見で一致している。

オサマ・ハムディ氏(33歳)は、ネタニヤフ首相の退陣を「偉大な成果」と歓迎した。

ハムディ氏はアラブニュースの取材に、「次が誰かにかかわらず、どんな暴君であれ倒れたのなら前向きに考えるべきだ。すべてのイスラエル人が我々に有利なことを何もしていないとしても、次に誰が権力を握るかに関係なく、これは前向きに考えることだ」と答えた。

しかし、ハムディ氏は、新政権がクネセトやイスラエル社会の中で強固な基盤を持っているわけではないと警告した。

イスラエルの国会は日曜日、ベネット氏が率いる新連立政権をかろうじて承認し、ネタニヤフ首相による歴史的な12年間の統治が終わった。

イスラエルで最も長く政権を維持し、争いの種となった元首相は、今後は野党党首を務めることになった。

連立合意に基づき、ベネット氏の任期は最初の2年間となり、その後、連立政権の立役者ヤイル・ラピド外務大臣が首相に就任することになっている。

モハメド・スルタン氏(45歳)は、ネタニヤフ氏はパレスチナ人との間で解決にたどり着くことができる「強い人物」だが、力の弱い新政権を踏まえると、イスラエルとガザ地区との関係について真の打開策は得られないだろうと語った。

「歴史上、イスラエルの強力なリーダーは、ラビン氏、シャロン氏、ネタニヤフ氏のように、戦時であれ平時であれ、大胆な行動をとってきた。今は、真のリーダーがいない政府なので、何も達成できない」とスルタン氏は述べた。

イスラエルは、2007年にハマスがガザ地区を実効支配して以来、ガザ地区を封鎖している。沿岸部のガザはそれ以来、4度の戦争と幾度もの戦闘を目の当たりにした。ハマスは、先月軍事衝突に発展したエルサレムに対する緊張関係が続いていることもあり、新政権の発足後もイスラエルとの関係に変化があるとは考えていない。

ハマスの当局者サミ・アブ・ズフリ氏はツイッターで次のように述べた。「占領者の政府には少しの変化も期待していない」

「彼らはパレスチナ人を殺し、権利を没収する政策で一致しているが、ネタニヤフ氏の失脚は、抵抗勢力の勝利による一連の結果の1つだ」

イスラム聖戦のタリク・サルミ報道官は記者声明の中で次のように述べた。「占領は、テロ行為と侵略行為をやめない治安・軍事システムによって行われている」

「したがって、我々は常に我々の国民と土地を守り、この存在に立ち向かう準備ができていなければならない」

パレスチナ解放人民戦線は次のように述べた。「ナフタリ・ベネット氏とヤイル・ラピド氏が交互に率いる占領者の新政権が樹立されても、現場では何も変わらない」

「新首相は、侵略、入植、ユダヤ化を基本とするネタニヤフ氏の計画と政策に、実質的に同意している」

イスラエル問題を専門とする作家のムスタファ・イブラヒム氏も、イスラエルとガザ地区の関係に実質的な変化はないだろうと警告している。

イブラヒム氏は、「この政権はパレスチナ人にとっての変化ではない」とアラブニュースに語った。

「この政権は、政権自体が抱える矛盾の結果、ネタニヤフ政権の延長線上にある。運命を決するような決定を下すことはできず、イスラエルの国内問題により関心を持つことになるだろう」

「ガザに課せられた封鎖の緩和とガザに捕らえられたイスラエル人の釈放を関連させることを、前政権はレッドラインに設定しており、新政権はこれを順守するだろう。これに関して合意を行うには、強力な政権と強力なイスラエルのリーダーが必要だが、新政権にはそれがない」

しかし、イブラヒム氏は、外国からの圧力、特に米国からの圧力が、「イスラエルとガザの関係に変化をもたらし、対立の炎をしばらくの間休ませる可能性がある」と述べた。

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