
ベイルート:世界や地域の人権団体から成るグループが15日に、国際連合人権理事会の理事国に対し、昨年のベイルート港で起きた壊滅的な大爆発についての調査本部を設けるよう強く促した。
この要求は、53のレバノン人の、地域的、国際的団体、個人、及び、62人の生存者、遺族による共同書簡でなされたと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。
書簡には、甚だしい政治的介入、公正な審理基準尊重の欠如、正当な法手続きへの違反など、爆発に関する国内調査での多くの不備が詳細に記されていると、HRWはいう。
3,000トン近い硝酸アンモニウム—-化学肥料に使用される爆発性の高い物質—が不適切に何年も港に保管されていた。この化学物質が8月4日の壊滅的な爆発で発火し、211人が死亡し、6,000人以上が負傷、周辺全体が損害を被った。
爆発を起こした倉庫内の火種の原因は何だったのか、腐敗しつつある化学肥料を2014年からそこに保管していた責任は誰にあったのかは、未だに分かっていない。
「レバノン当局は、信頼のおける調査をする意志があり、調査することができると示すのに10カ月以上あった」と、HRWのレバノン研究者、アヤ・ マジョーブ氏は述べた。「しかし、どう見ても彼らは失敗している」
爆発の6日後、レバノン政府はベイルート爆発事件を同国の、控訴手続きのない特別法廷、法務協議会に委託した。これまで何も起訴状は出されていない。
爆発を捜査していた検察官は12月に、数百人の死者を出すことになった過失を非難し、ハッサン・ディアブ暫定首相と3人の元大臣を告発した。
2カ月後、過失で告訴された2人の元閣僚による法的な異議申し立てに従い、審理にあたっていた判事は交替させられた。
AP