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バスラの地元住民が、サダム・フセインの豪華ヨットを展示する計画を提案

フランス南部のニースに係留されていたバスラ・ブリーズ号(2008年に撮影)(AFP/ファイル写真)
フランス南部のニースに係留されていたバスラ・ブリーズ号(2008年に撮影)(AFP/ファイル写真)
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29 Jun 2021 01:06:13 GMT9
29 Jun 2021 01:06:13 GMT9
  • 地元の専門家の間では、ボートを博物館として利用する計画が実行可能かどうかについて意見が分かれている
  • イラクの独裁者の全長82メートルのヨットは、フランスのニースで売りに出された後、2008年にイラクに接収された

アラブニュース

ロンドン:イラクのサダム・フセイン元大統領がかつて所有していた豪華なヨットが、イラクのバスラで洋上博物館として再利用される可能性が出てきた。

1980年にデンマークの造船所で建造された全長82メートルのモーターヨットは、当時、この種のものとしては世界最大級だった。

フセイン氏の失脚後、ヨットは放置されていたが、2008年にイラク政府がようやく取り戻し、海洋調査船として利用するためバスラ大学に寄贈された。

しかし、調査船として運用するには法外な費用がかかるため、現在、博物館の上層部はこれを新しい展示の一部として利用することを模索していると言われている。

フセイン氏の旧宮殿内にあるバスラの博物館の館長、カフタン・アラビード氏は、イラクの航海の歴史を紹介する新しいプロジェクトにこのヨットを利用したいと考えている。

「私たちは、シャット・アル・アラブ川や湿地帯を航行していた数多くの種類の船を再建する作業を再開したいと考えています。すでにおよそ16隻の船があります」と、同氏はヨットのウェブサイトであるボート・インターナショナルに語り、バスラの市長もこの計画を支持していると付け加えた。

この船は、あらゆる予想を覆してアラブ人が勝利を収めたとされる歴史的なペルシャ人とアラブ人の戦いにちなんで、汚名を被った独裁者によって「カディシヤット・サダム(Qadissiyat Saddam)」と名付けられた。フセイン氏は、その昔の戦いと、1980年代にイランとイラクの間で起こった残虐な戦争とを、わざわざ比較したのである。

この船は多くの人の手を経て、2007年にニースで売りに出された。イラク政府は、フランスの裁判所で争った末、この船を接収し本国に送り返した。

現在は「バスラ・ブリーズ(Basrah Breeze)」と名前が変わったが、専門家は、博物館の洋上展示の計画は、法外な費用がかかる可能性があると警告している。

ある地元の学者は、船体だけでも修復には150万ドルもの費用がかかるとしており、また、イラクではそれを利用するための堅実で持続可能な利用計画を立てている人はいないのではないかと疑問視する人もいる。

この船が寄贈された海洋科学センターの元所長アリ・ドゥアブル氏は、ボート・インターナショナルに対し、次のように語った。「私に言わせれば、政府はこのヨットを適切に、あるいは商業的に使用する能力がないため、これを受け取るよう欺かれてしまったのです。」

「政府はそれが2億ドルの価値があると考えたようですが・・・どこからそんな数字が出てきたのでしょうか。」

解決策はイラクの外にあるかもしれないと同氏は言う。

「おそらく国際海事機関のような国際機関がその管理を行う必要があります、イラク人はしないでしょうから。そうすれば、これは世界遺産になるでしょう。」

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