
エルサレム:イスラエルの外務相トップのヤイル・ラピド氏は29日、9月にイスラエルとアラブ首長国連邦の国交が正常化されて以降初となる、イスラエルの閣僚によるUAE公式訪問を開始した。
ラピド氏は、「歴史的なUAE訪問に向けて離陸」というキャプションを添えて、飛行機の中から自身の写真をツイートした。
イスラエルの閣僚はこれまでにもUAEを訪問しているが、ラピド氏は同国を訪問した最も位の高いイスラエル人となり、公式訪問するのは初めてとなる。
UAEとの国交正常化協定が当時のドナルド・トランプ米国大統領政権下で仲介されて以降、イスラエルはUAEと、観光から航空、金融サービスに至るまで、数多くの協定に署名してきた。
今回の訪問中、ラピド氏は、在アブダビ・イスラエル大使館および在ドバイ・イスラエル総領事館をオープンさせる。
「イスラエルの代表団は昼前にアブダビに降り立ち、外務省で経済担当大臣に迎えられる予定だ」と、イスラエル外務省が声明の中で述べた。
イスラエル政府高官によると、3月に予定されていたベンヤミン・ネタニヤフ前首相による公式訪問は、ヨルダンの領空使用をめぐる同国との「紛争」により中止となった。
ラピド氏が一緒になって組んだ連立政権でユダヤ民族主義者のナフタリ・ベネット氏に首相の座を明け渡したネタニヤフ氏は、コロナウイルスの渡航制限をめぐり、既に2月のUAEとバーレーン訪問を延期していた。
イスラエルとUAE、バーレーン、モロッコ、スーダンとの間での国交正常化協定は、イスラエルがパレスチナ人と和平を結ぶまで、イスラエルとは国交を結ぶべきではないという、アラブ連盟が長年掲げてきた方針を覆すものであるため、パレスチナ人から非難されている。
AFP通信