
テヘラン:イランのハッサン・ロウハニ大統領は、イラン南西部のクゼスタン州で水不足に対する抗議デモが行われ3人が死亡したことを受けて、国民にはデモを行う「権利」があると述べた。
富裕層の多いフゼスタン州はイランの主要産油地域だが、3月から猛烈な干ばつに見舞われている。
国営テレビで放送された演説の中でロウハニ大統領は、フゼスタン州の人々は、「決められた規則の枠内で、発言し、表現し、抗議し、さらには街頭で抗議デモを行う権利を有している」と述べた。
イランのメディアや政府関係者らは、警察官とデモ参加者を含む少なくとも3名が死亡しており、「日和見主義者」や「暴徒化した」人らが、デモ参加者や治安部隊に向けて発砲したと非難した。
ロウハニ大統領は、「悪意のある人々がデモを利用し、デモ行動の中に混ざって銃を発砲し、我々の親愛なる国民の一人を撃ち殺してしまうこともあり得る」と述べたものの、これ以上の説明は行わなかった。
海外のペルシャ語メディアは、複数の市や町で行われた抗議デモの映像を放送しており、数百人の人々が、当局に対し抗議するスローガンを唱え、機動隊に囲まれながら街頭をデモ行進している様子が映し出されている。
AFP通信では、これらの映像の信憑性について確認できなかった。
ロウハニ大統領は、「問題があれば、(フゼスタン州の人々に)合法的に対処するよう求める」と語った。
フゼスタン州には少数派のアラブ人が居住しており、これらの人々は州当局から疎外されていると訴えている。
2019年、同州ではイランの他地域をも揺るがす反政府抗議デモが多発した。
イラン国家安全保障最高評議会のアリー・シャムハーニー書記は木曜日、「治安部隊は、フゼスタン州における最近の事件で拘束された、犯罪行為に関与していない者を直ちに釈放するよう命じられた」と述べた。
何年にも渡り、夏の猛暑と、サウジアラビアや隣国イラクから吹き付ける季節風の砂嵐により、かつて肥沃だったフゼスタン州の平原は干上がってしまった。科学者らは、気候変動により干ばつが悪化すると指摘している。
AFP