• デモの映像や目撃者の証言をもとに分析が行われた。

パリ：国際的な人権団体が金曜日に発表したところによると、石油資源が豊富である一方、乾燥地帯であるイラン南西部のフゼスタン州で行われている水不足に対する抗議活動に対して、イラン政府は違法かつ過剰な武力を行使している。

アムネスティ・インターナショナルは、イラン政府当局が実弾を使用し抗議デモを鎮圧したことにより、少なくとも8人の抗議デモ参加者と、10代の少年を含むその場に居合わせた人の死亡を確認したと発表した。

イランのメディアや政府関係者は、警察官とデモ参加者を含む少なくとも3人が死亡したと発表し、「日和見主義者」や「暴徒化」した人々が、デモ参加者や治安部隊に発砲したと非難した。

アムネスティ・インターナショナルは、「イランの治安部隊は、ほとんどが平和的な抗議活動を鎮圧するため、実弾や小型動物用散弾銃を発射するなど、非合法な武力を行使した」と述べた。

デモの映像や目撃者の証言を分析した結果、治安部隊が殺傷力のある自動小銃や、本来無差別に使用可能なショットガン、催涙ガスなどを使用したことが判明した。

一方、ヒューマン・ライツ・ウォッチも声明を発表し、その中で、イラン当局は「デモ参加者に対して過剰な武力を行使した」と見られ、イラン政府は報告された死亡者について「透明性をもって調査」すべきだと述べた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのイラン研究員であるTara Sepehri Far氏は、「イラン政府当局はこれまでも、経済的困難や生活環境の悪化に不満を持つ抗議者らに対し、銃撃で弾圧してきたという汚点がある」と述べた。

人権団体らは、イランが2019年にガソリンの値上げに対する全国規模の抗議活動に対し、猛烈な弾圧を行ったと非難しており、アムネスティ・インターナショナルによると、この弾圧により少なくとも304人が死亡した。

「イラン政府当局は、これまでも非合法な武力を行使してきた悲惨な過去があります。フゼスタン州で行われていることは、2019年11月の悲惨な出来事を彷彿させるものです」とアムネスティの中東・北アフリカ担当副ディレクターを務めるダイアナ・エルタヘイ氏は述べた。

アムネスティによると、10代の少年ハディ・バルマニ氏は、イゼの町で殺害された。

イラン当局は、今回の騒動について暴徒が原因だとしており、アムネスティは、FARS通信が、殺害された男性2人の親族が、彼らの行動とは乖離するインタビューを掲載したことを指摘した。

しかし、アムネスティは、インタビューを受けた家族のうちの一つは、私服捜査官の訪問を受け、「あらかじめ用意された台本をカメラの前で暗唱するように強要された」という情報があることを明かした。

ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、この地域ではインターネットの遮断も報告されており、「過去3年間、政府当局は抗議活動の際に情報へのアクセスを頻繁に制限してきた」と指摘している。

フゼスタン州はイランの主要な産油地域だが、3月から猛烈な干ばつに見舞われている。

同州には少数派のアラブ人が居住しているが、彼らは当局から疎外されていると常々訴えてる。

AFP