
フランチェスコ・ボンガッラ
ローマ:チュニジアのカイス・サイード大統領は、不法移民対策へのコミットメントを改めて表明するとともに、イタリアが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン150万本および対策のための機材コンテナ5箱分を寄贈したことに対して感謝の意を表明した。
日曜日の夜、サイード大統領は、ロレンツォ・ファナラ駐チュニジア・イタリア大使と共に式典に出席し、ワクチン寄贈を受けた。その際、二国間の関係を称え、地中海の不法移民対策に関するチュニジアのコミットメントを新たにした。
チュニジア大統領府による声明で、大統領は「権利と自由を守り、安全と安定の柱を強化する」ことへの熱意を表明し、不法移民、人身売買、密輸に対する反対姿勢を明確にした。また、現在のような「微妙」な時期に、この問題を政治的に利用しないよう警告した。
在チュニジア・イタリア大使館の関係者がアラブニュースに語ったところによると、サイード大統領は、「過去数年間に移民問題に関して双方で交わされた全ての合意に基づき、二国間協力を継続することに引き続き意欲的」だという。
一方、海況が良好な中、ランペドゥーザ島へは移民の到着が続いている。
月曜日、チュニジア沿岸警備隊は、週末に不法移民対策のため11の作戦が実施され、複数の船に乗っていた移民188人を国内の様々な地域で阻止したと報告した。
チュニジア内務省は、サイード大統領とイタリア大使との式典後に発表した声明の中で、阻止された移民のうち56人はアフリカ諸国からだとしつつも、国籍は明らかにしなかった。
そのうち11人は、イタリアやヨーロッパの海岸に何度も不法上陸を試みており、既に指名手配されていたという。
シチリア島カリタスのミケーレ・ジョルダーノ師はアラブニュースに対し、「彼らは何とでも言うでしょうが、実際はほとんどがチュニジア出身のチュニジア人です」と語った。
「チュニジア治安部隊が同国からの移民対策活動を行ったのは、土曜日に行われたイタリア日刊紙コリエーレ・デッラ・セラによるエンナーダ党党首のラーシド・ガンヌーシー国会議長のインタビューに対して反応したのでしょう。インタビューの中で、ガンヌーシー氏は、自分の運動に協力しなければ、欧州諸国はかつてないほどの移民の波に見舞われるだろうと警告しました」と、イタリア下院外交委員会のアンドレア・デルマストロ・デッレ・ヴェドヴェ委員はアラブニュースに対し語った。
「ここ数日間で、チュニジア沿岸警備隊が何百人もの不法な地中海横断を阻止したことを触れ回らなければならない理由は、他に見当たりません。こうした情報は、チュニジアからランペドゥーザ島やサルデーニャ島の南岸への上陸数が増えている事実と矛盾しているように思えます」とも語った。
日曜日だけで、約200人がランペドゥーザ島に到着した。移民は身元確認の後、本土の一時宿泊施設や、同島の港の前の海域に係留されている検疫フェリー船に送られる。しかし、最大250人の収容人数で設計された島内施設には、現在も1,200人以上の移民が滞在中である。