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イスラエルが直面するネタニヤフ政権後の不透明感

2019年11月20日エルサレムのクネセト(イスラエル国会)での右派連合との会合で演説するベンジャミン・ネタニヤフイスラエル首相 (AFP)。
2019年11月20日エルサレムのクネセト(イスラエル国会)での右派連合との会合で演説するベンジャミン・ネタニヤフイスラエル首相 (AFP)。
23 Nov 2019 04:11:34 GMT9
  • ベンジャミン・ネタニヤフ首相の政敵であるベニー・ガンツ氏は、リクード党内あるいは連立を組む右派政党の議員に対して、離党するよう促してゆくものと見られる。

ダウド•クッタブ筆

アンマン発: イスラエル歴代首相最長の在職期間となるネタニヤフ首相の時代の最終章となるかどうかは定かではないが、彼の栄光の時代は幕を閉じたようである

パレスチナ人のアメリカの弁護士で、パレスチナの交渉団の元メンバーであるダイアン・ブット氏は、イスラエル政治の単独支配者としてのネタニヤフ首相の時代は確実に終わった、と述べた。

ハーバード大学で国際法を教えているブット氏は、ここ数年間、イスラエルでは、「ネタニヤフに代わる人物はいない。」という考え方が一般的だったと述べている。

またブット氏は、ネタニヤフ時代の終焉をリクード党内でも感じるようになるだろうと予想している。

「最近までの選挙のスローガンは、イスラエルには、ネタニヤフ首相とリクード党がふさわしく、ネタニヤフ首相とトランプ大統領は、卓越した人物である、というようなものでした。 しかし、ネタニヤフ首相が政界を去ることになれば、リクード党は根底から揺さぶられることになるでしょう」。

国際的な争い

ハイファのアラブ48というニュースサイトのシニア・アナリストであるモハメド・ワッタド氏は、ネタニヤフ首相をイスラエルの王と呼ぶ時代は終わったが、彼がすぐに政界を去ることにはならないだろう、と述べている。

「確かに、ネタニヤフ首相が汚職事件で起訴されたことで、イスラエルの王と呼ばれた彼の支配は終わりとなるものの、彼は可能な限り首相の座に留まり続けるでしょう」。

 ワッタド氏は、ネタニヤフ首相が、政府の社会的、宗教的、政治的存在のまさに根幹部分に疑問を投げかけたことから、イスラエル社会の中に国際的な争いが生じてしまっている、と語る。

「アナリストの中には、ネタニヤフ首相に代表されるこのような汚職は、イランの核の脅威よりもはるかにイスラエル社会を脅かすものであると考えている人もいます。」

しかしながら、ハイファ大学で政治科学を教えているミシェル・アウン教授は、ネタニヤフ首相を除外するのは時期尚早だとの考えを示している。

免責特権

「ネタニヤフ首相は、可能な限り首相の座に止まり続ける意志を表明しており、自分はクーデターの犠牲者であると述べています。この 訴訟には3年から4年を要し、彼の免責特権が解除されない限り、判決が下されるまで、彼からクネセト(イスラエル国会)の議員としての地位を剥奪することは不可能だろうと思います」。

ハイファを拠点とする歴史家で、イスラエルのベイトバール大学で政治科学の講師を務めているジョニー・マンスール氏は、ネタニヤフ首相は、今後も首相職に留まるであろうと述べ、以下のように、ネタニヤフ首相の今後について5つのシナリオを挙げている。

* 首相を辞任し、引き続き暫定政府のトップとして留まる。

* クネセトの2/3の議員が、彼の免責特権の解除を要求する。しかし、彼が全議員120名中55名が属する連立政権を率いていることからすると、実現は非常に困難である。

* リクード党内でクーデターが起き、同党が崩壊する

* 北部で新たな戦争が勃発し、彼は権力の座に留まり続ける

* 連立協定の不在により、3回目の総選挙が行われる。

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