
ボズクルト:トルコでの過去数年で最悪の洪水による行方不明者の親族らが8月14日、救助隊が建物を捜索する様子を不安げに見守った。激流による死者数はさらに増える恐れがある。
北部の黒海沿岸地域で発生した洪水により、少なくとも40人が死亡。これは今月トルコを襲った2つ目の自然災害となる。
ロイター通信によるドローンの映像には、洪水に襲われた黒海沿岸の町、ボズクルトの甚大な被害が映し出されているが、そこには救急隊員が破壊された建物を捜索する姿がある。
災害緊急事態対策庁(AFAD)によると、ボズクルトを含むカスタモヌ地方では洪水により34人が死亡、またスィノプでも6人が死亡。
増水した川の沿岸にある倒壊した建物には、いまだ10人が生き埋めになっていると見られる。洪水による激流で、他にも複数のアパートの基礎部分が流された模様。
近くでは、行方不明者の親族が必死に情報を求めている。
「これは前代未聞の事態です。電気はない。携帯電話もダメ。電波も受信できず、誰からも情報を受け取れない状態でした」と、住民のイリヤス カラバリクさん(42歳)は語る。
「水かさが上昇しているのかどうか、建物が浸水したのかどうかも、全くわかりませんでした。こんなふうに、ただ待っていただけです。妻や子どもたちはパニックになっていました。朝、日が昇ると警官たちの姿が見えました。彼らは建物から私たちを連れ出し、ガソリンスタンドに放り出したんです」
カラバリクさんの周囲には、行方不明者についての情報を誰か持っていないかと尋ね合う住民たちがいた。
「おばの子どもたちはそこにいます。おばは行方不明。彼女の夫も行方不明。彼女の双子の孫も行方不明。ビル管理人の妻と2人の子どもも行方不明です」と、カラバリクさんはロイター通信に語った。
洪水が北部の複数の県に大混乱をもたらしたのは、南部の沿岸地域で2週間にわたり猛威を振るった山火事が沈静化したと当局が宣言したのと、ほぼ同時のことだった。
ボズクルトの近隣の村では、3日足らずのうちに約45cm(18インチ)の雨が降った 。
猛烈な勢いの水により、通り沿いでは何十台もの車や瓦礫の山が翻弄され、橋は破壊され、道路は塞がれ、何百もの村への電気が遮断された。
ボズクルトは、カスタモヌ県のエジン川沿岸の渓谷にある小さな町。黒海からは2.5km(1.6マイル)。
ロイター