
ベイルート:イランの支援を受けるヒズボラの指導者、サイード・ハッサン・ナスラッラー書記長は27日、レバノンの壊滅的な燃料不足を緩和するためにイランからの3隻目の燃料輸送に同意したと明らかにした。
ナスラッラー書記長はテレビ演説で「我々は3隻目の船への積込開始に同意した」と述べた。
「数日のうちに、燃料到着への疑いが誤りだと証明されるだろう。最初の船がレバノンに到着すれば、我々の言葉の真実が明らかになる」
22日にナスラッラー書記長は、イランの燃料を積んだ最初の船がレバノンに向けてすでに出発していると明らかにしていた。
レバノンの反ヒズボラ勢力は、2年近く経済が破綻状態にある同国に制裁が課されるリスクがあるとして、イランからの燃料輸入は悲惨な結果を招くことになると警告している。
首相に指名されているナジーブ・ミカティ氏は27日、サウジアラビアが出資するテレビ放送「アルハダス」の取材に対し、レバノンの国益を損なういかなる行為にも反対すると述べると同時に、イラン燃料の輸入を批判する勢力にイランに頼らなくてもすむよう支援してほしいと求めている。
ナスラッラー書記長はレバノンの経済危機は米国の経済包囲網によるものだとし、さらに米国がシリアに課したいわゆるシーザー制裁がレバノンに害を与えていると強調した。
「レバノンにイラン産ガソリンおよびディーゼルの禁輸適用除外を…レバノンはシーザー法適用除外とすべきだ」と述べて、米国に適用除外措置を訴えた。
悪化を続けるレバノンの燃料不足は今月に入り、さらに深刻さの度合いを増し、日常生活を脅かしている。
ナスラッラー書記長はまた、有力政治家らに閣僚任命に関する議論をやめ、早急に組閣するよう促した。
そして「今こそ、このような議論を終わらせるべき時だ」と訴えた。
レバノンは、1年前のベイルート港での大爆発後に内閣総辞職したハッサン・ディアブ氏が暫定首相として政権を担っている。
ミカティ氏はヒズボラと同盟関係にあるミシェル・アウン大統領が前政権崩壊後に、組閣のために指名した3人目の首相候補だ。
ロイター