



エルビル:フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、イラクに軍隊を残すことを誓った翌日の29日(日)、ダーイシュのイラクにおけるかつての拠点モスルを訪問した。
マクロン大統領は、バグダッドでの地域サミットで、主にテロリズムとの戦いと米国が撤退するなかでタリバンがアフガニスタンで支配権を奪取したことの影響のために、この誓いをたてた。
「アメリカがどのような選択をしようとも、我々はテロリズムと戦うためイラクに駐留しつづける」と28日(土)の記者会見で彼は話した。
マクロン仏大統領は、29日(日)、3年間のダーイシュによる支配から2017年に奪還されたスンニ派イスラム教徒の都市モスルに足を踏み入れる予定である。
イラクの多様な民族・宗教コミュニティのるつぼであるモスルへの彼の訪問は、中東におけるキリスト教徒への彼の支援を再確認する機会であると見られている。
マクロン大統領は、国連の文化機関ユネスコが修復を進める「時の聖母マリア教会」を訪問する予定である。
フランスはこの地域のフランス語を使用するキリスト教の学校に資金を出しており、中東における他の少数派とともに、窮状にあるキリスト教徒を後援しようとしている。
「このメッセージは、文明的なものですが、地政学的なものでもあります。これらのコミュニティに敬意が払われない限り、イラクに均衡はないでしょう」と大統領は話した。
マクロン大統領はまた、ダーイシュの指導者アブ・バクル・アル・バグダディ氏が2014年に「カリフ制」の樹立を宣言したモスルのアル・ヌーリ・モスクに立ち寄る予定である。
2017年6月、イラク軍が聖戦を主張するダーイシュをモスルの旧市街で包囲するなか、ダーイシュはこの有名な12世紀のモスクを爆破した。
ユネスコは現在、有名な傾いた尖塔をふくめこのモスクをほぼ完全に元のように再建する大プロジェクトを計画している。
このモスクと教会は、ユネスコが主導しアラブ首長国連邦が5000万ドルもの資金援助をする3つの再建プロジェクトにふくまれる。
「モスル精神を蘇らせる」と称されるこの計画は、ユネスコの歴史において最大のプロジェクトであり、ヨーロッパが資金援助するプロジェクトの一部としてオスマン様式の伝統的な家々を再建する計画もふくまれる。
マクロン大統領は、27日(金)、イラクのムスタファ・アル・カディミ首相に伴われ、バクダッド北部のカーディミーヤ地区にあるシーア派のイマーム・ムーサー・カーディム廟を、訪問した。
これは、フランス大統領としては最初の訪問であると彼は話した。
マクロン大統領はまた、モスル大学で企業家や学生をふくむイラクの若者たちと面会する。
彼は29日遅くに、イラクのクルド人自治区の首都エルビルを訪問することになっている。
キャンプ・グルニエのフランス特殊部隊を訪問した後、彼はクルドのネチルバン・バルザニ大統領とその前任のマスード・バルザニ氏と会談する予定である。
「2国間の関係やイラクの選挙、その他の緊急議題をマクロン大統領と論じることを楽しみにしています。クルディスタンとイラクに対するフランスの継続的な支援に、変わらぬ感謝をささげます」とイラク・クルド人のバルザニ大統領はツイートした。
マクロン大統領はまた、過激派ダーイシュに対する戦いへのクルド人の貢献に敬意を表し、ダーイシュによって殺された治安部隊ペシュメルガの戦士の家族にも面会する予定である。
AFP