• イラン大統領は、イラン政府がウィーンの交渉で核合意を再建することを望んでいると主張
• 主要国とイランとの協議は、先週再開した

ジェッダ：米国のアントニー・ブリンケン国務長官は11日、核開発を巡るイランとの交渉の道筋を示すことを目指す、欧州諸国外相との緊迫した協議を主導した。

新たな協議は英国北部・リバプールで開かれている3日間にわたるG7外相会合の中で行われた。外相会合では、イラン政府に対し核開発を抑制し、ウィーンでの協議を継続させる機会を捉えるよう求める共同声明が発表されると見込まれている。

世界の主要国とイランは先週、包括的共同行動計画（JCPOA）の再建を目的とする協議を再開していた。JCPOAは、元々は2015年に締結された核合意で、イランの核開発計画に制限を課す見返りとして、経済制裁を解除することをその内容とする。2018年、米国が核合意から離脱したことで合意は事実上崩壊し、イランはJCPOAにより課された上限を超える高濃縮ウランの製造を開始した。

欧州の情報筋によると、交渉担当者らは5ヶ月前に交わされた協議内容から作業を行っているとした一方、イランの政府関係者は、イランは先週同国が示した強硬的な姿勢を堅持していると伝えた。

イラン政府が米国政府との直接協議を拒否しているために、仏・英・独・露・中の外交当局者が仲介する米国とイランとの間接協議は、双方が再び核合意を全面的に順守し始めることを目指している。

「ブリンケン長官はリバプールでドイツ、フランス、英国の外相と建設的な会談を行い、JCPOAの協議内容や今後の道筋について意見を交わすことができました」と、米国務省は11日に発表した。

イランのイブラヒム・ライシ大統領は11日、イラン政府はウィーンでの協議で核合意を再建することを望んでいると主張した。

「我々がイランの提案内容を交渉当時国に文書で提示したという事実が、我々が協議に誠実に取り組んでいるということを示しているのです。先方もまた制裁解除に真剣であるならば、良い合意を得ることができるでしょう。良い合意であるならば、我々は必ずそれに従います」と、ライシ大統領は語った。

イランの交渉責任者であるアリ・バゲリ・カニ氏は協議が決裂した際、イランは同国が先週提示した立場を堅持していると述べた。「我々が先週示した草案が現在、当事国間で議論されています」とカニ氏は伝えた。

欧州と米国の当局者らは、イランが新たな要求を作り出し、今年既に示されていた妥協案を反故にしているとして非難した。

イランはまた、米国とイスラエルの国防相が、対話による解決が失敗し、同2国の指導者が要請した場合に、イランの核施設を破壊するという最悪のシナリオに備えるための軍事演習について協議しているとの報道についても答えた。

「我が国の司令官に、実際の標的を使用してイランのミサイル発射実験を行うための好条件を与えてしまうと、侵略者らは高い代償を払うことになるだろう」と、イラン国防省の高官は警告した。