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ダーイシュの「ビートル」が有罪を認める

有罪を認めるに当たって、コティ被告はシリアでの自身の行動について知っている情報をすべて提供することに合意している。(ファイル/AFP)
有罪を認めるに当たって、コティ被告はシリアでの自身の行動について知っている情報をすべて提供することに合意している。(ファイル/AFP)
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04 Sep 2021 01:09:50 GMT9
04 Sep 2021 01:09:50 GMT9
  • ワシントン近郊のバージニア州アレクサンドリアの連邦裁判所は今週、コティ被告の「罪状認否の変更」審理を公示していた
  • 有罪を認めるに当たって、コティ被告はシリアでの自身の行動について知っている情報をすべて提供することに合意している

アメリカ合衆国アレクサンドリア:「ビートルズ」と呼ばれる悪名高いダーイシュの誘拐細胞の一員、アレクサンダ・コティ被告が9月2日、米国の裁判所で米国人の人質4人の殺害を共謀したという起訴内容について、有罪を認めた。

ワシントン近郊のバージニア州アレクサンドリアの連邦裁判所は今週、コティ被告の「罪状認否の変更」審理を公示していた。元英国籍のコティ被告は、裁判のために米国に移送された2人の誘拐細胞メンバーの一方に当たる。

「コティ被告は適正手続きを許され、圧倒的な証拠に直面して、独立した決定により犯罪事実について有罪を認めた」と、バージニア州東地区米連邦検事代理のラジ・パレク氏が裁判所の建物の外で語った。

「被告は残りの人生を刑務所で過ごすことに同意した」

コティ被告(37)とエル・シャフィー・エルシェイク被告(33)は、裁判を受けるために10月にイラクから空路移送された。米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏とスティーヴン・ソトロフ氏、援助活動家のピーター・カッシグ氏とカイラ・ミューラー氏の殺害に関与したとされる。

2018年1月にシリアでシリア・クルド軍に捕らえられた2容疑者は、イラク駐留米軍に引き渡された。

英国は当初、2人を自国で裁判にかけることを望まず、2人の英国籍を剥奪した。

だが、米国への移送は、米国政府が裁判で死刑を求刑しないことを英国政府に保証して、初めて可能になった。

10月9日に拘置所からビデオリンクでT・S・エリス判事のもとに出頭した2人は、無罪を主張した。

だが、9月2日、コティ被告は本人が実際に裁判所に出頭して、エリス判事の「あなたは実際にこれらの起訴内容で有罪であるから、自由意志に基づき自発的に有罪の答弁をしているのですか?」との問いに、「はい」と答えた。

有罪を認めるに当たって、コティ被告はシリアでの自身の行動について知っている情報を、起訴状の内容に限定せずにすべて、米国政府に、また希望するすべての外国政府に、提供することに合意している。

この合意により、コティ被告は米国で15年間刑務所に入れられた後、英国に引き渡され、英国で誘拐と人質殺害の容疑を追求される。

有罪を認めることで、被告は裁判を受ける権利を放棄し、早期釈放の権利を伴わない数件の終身刑判決に直面することになる。

犠牲になった4人の米国人の家族が法廷に立ち会った。デニス・フィッツパトリック検察官によると、家族は防御戦略の変更に同意しているという。

ジェームズ・フォーリー氏の母ダイアン氏は、法廷の外にいる人々に向けてコメントし、ジョー・バイデン大統領、議員、そして「すべての米国人に、私たちの国が米国籍を持つすべての無実の人質や不当に海外で拘束されている人を保護し、支援することを要求する」よう求めた。

また、「(コティ被告の)が直接犯した犯罪についてこれほど有罪が明らかな訴訟を実現した」司法省と検察官チームに、米国人犠牲者4人の家族からの感謝を表明した。

コティ被告とエルシェイク被告が属していた4名からなるダーイシュ細胞は、その英国なまりのために捕虜たちから「ビートルズ」と呼ばれていた。

4人は2012年から2015年にかけてシリアで米国人、欧州諸国民、日本人の人質の誘拐に関与した容疑をかけられている。

拷問を加え、殺害したとされており、その殺害方法には斬首も含まれる。ISはプロパガンダ目的でその殺害ビデオを発表した。

「ジハーディ・ジョン」として知られる、首謀者とされるモハメド・エムワジ容疑者は、2015年11月にシリアにおいて米軍の空爆で殺害された。4人目の「ビートル」であるエイン・デービス受刑者は、テロ容疑で起訴されて有罪判決を受け、トルコ国内で投獄されている。

米当局によると、コティ被告とエルシェイク被告は人質の勾留施設を管理し、また電子メールで身代金交渉を調整した疑いも持たれている。

2人は「長期にわたる人質への身体的・心理的暴力」にも従事したという。

ダーイシュ指導者アブー・バクル・アル・バグダーディー容疑者の死亡につながった、2019年に米特殊部隊がシリアで実行した急襲作戦には、タスクフォース8-14というコードネームが付けられた。これは若き援助活動家ミューラー氏の誕生日にちなんでいる。
ミューラー氏はデンマーク難民評議会で活動していた2013年にシリア北部で誘拐された。両親によると、彼女はバグダーディー容疑者に引き渡される前には拷問を受け、バクダーディー容疑者は彼女を殺害する前に繰り返しレイプしたとされている。

「数年前、アレクサンダ・コティ被告の行動は世界の舞台で演じられ、その残忍な犯罪は…米国民の眼に永久に焼き付いている」と、事件の捜査を行ったFBIワシントン地方局のスティーブン・M・ダントゥオノ副局長は、司法省の声明を引用して述べた。

「今回の有罪の答弁によって、被告の残虐な行為の被害を受けた人たちの苦しみが和らぐわけではない。しかし、この出来事を通じて、たとえどこにいても米国民に危害を加えるすべての者を見つけ出し、訴追することへのFBIのゆるぎない献身を、世界中の人たちが思い起こすことを願っている」

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