
メネクセ・トキャイ
アンカラ:三国間の軍事協力の一環として、トルコ、パキスタン、アゼルバイジャンは9月12日、8日間の合同軍事訓練を開始した。
公式発表によると、演習「スリー・ブラザーズ-2021」は、3軍間の「既存の関係をさらに強化」し、地域のテロと戦うための新たな方法を見出すことを目的として、アゼルバイジャンの首都バクーで行われている。
アゼルバイジャンの特殊部隊司令官であるヒクマット・マイザエフ中将は開会式で、3国間の協力関係は「最高レベル」であり、地域と人々の安全を確保するためにこの関係をさらに強化するための、重要な措置が取られていると述べた。
専門家によれば、今回の軍事協力の新たな形式は、アゼルバイジャンのエルマル・メメディヤロフ外相(当時)がバクーでトルコ、パキスタンの担当者と初の三国間会議を開催した2017年にさかのぼる政治的な結びつきに、新たな要素を加えるものだ。
パキスタンとトルコは、昨年9月にアゼルバイジャンがアルメニア軍と戦った44日間に及ぶ第二次カラバフ戦争において、11月にロシアが仲介した停戦が成立するまでアゼルバイジャンを支援した。
パキスタンは、トルコに続き1991年12月12日にアゼルバイジャンを独立国として承認した2番目の国である。
ワシントン研究所トルコ・プログラムのソネル・カガプタイ所長は、アラブニュースに対し「政治的な結びつきに軍事的な要素が加わるという意味で、この地域のトリオは重要です」と語った。
「パキスタンは核保有国として、トルコはNATOの中で最大かつ最も強力な軍隊として、アゼルバイジャンはトルコとイスラエルからの防衛産業への貢献により、地域の軍事大国として台頭してきていることは興味深いです」と付け加えた。
また、この合同演習は、3国の軍人の間で軍事的経験を増やし、専門的なノウハウを共有することも目的としている。
カガプタイ氏によると、トルコの国家安全保障の専門家は、パキスタンを伝統的にトルコの最も近い同盟国の一つと考えているという。
「トルコは現在、伝統的な同盟国とされる米国、韓国、イスラエル、アゼルバイジャン、パキスタンの5カ国のうち、2カ国との防衛関係を深めている。パキスタンはこの同盟に戦略的な深みをもたらしている」と述べた。
また、カガプタイ氏は、今回の動きは、地政学的・軍事的発展に対して柔軟かつタイムリーな対応が可能な包括的戦略同盟を通じて、戦略的自律性を求め、NATO以外の同盟国を探そうとするアンカラの試みの一環であることを強調した。
パキスタンとトルコの協力関係は、アフガニスタンの情勢やタリバン政権下での難民流入の可能性を考えると、より重要なものとなった。
7月には、トルコ、アゼルバイジャン、パキスタンの国会議長が、3国間の協力関係を強化するための「バクー宣言」に署名した。
宣言では、互いの領土保全を支持し、カラバフをめぐるアゼルバイジャンの動き、ジャンムー・カシミール連邦直轄領をめぐるパキスタンの対立、キプロス・エーゲ海・東地中海問題の解決におけるトルコへの支援を明示し、それぞれの優先事項を強調した。
8月、トルコ航空宇宙産業は、パキスタンの国家技術科学委員会と、軍用無人機「アンカ」の共同生産と両社間の技術移転に関する契約を締結した。
アンカラに拠点を置くテロ・過激化に対する防衛研究センターのイロール・ブラル所長は、3カ国の特殊部隊による合同訓練は、将来的に共同作戦を行う可能性を示すものであり、最も重要であると述べている。
「また、合同軍事訓練の開催地を選んだことにも意味があり、第二次カラバフ戦争後のアルメニアに向けられた、この3カ国の連帯のメッセージ(お互いを兄弟のように思っている)とも考えられます」とアラブニュースに語った。
ブラル氏はまた、合同演習で本物の武器を使用することも不可欠だと付け加えた。
「それは、軍事演習が実際の戦争状態に近い結果を生み出し、新しく開発された弾薬を地上でテストするのに役立ちます」と語る。
軍事アナリストは、演習が軍事技術の生産における協力にもつながると強調する。
8月にパキスタンのアリフ・アルヴィ大統領がトルコを訪問し、トルコで建造されたパキスタン海軍向けのミグレム(MILGEM)プロジェクト初のコルベット艦(バーブル)の進水式に出席したことも、軍事協力を後押しし、パキスタンの防衛力が南アジアにおける同国の役割を高めることにつながる。
ミグレムコルベット艦は、最新の武器とセンサーを搭載、レーダーを回避する能力を持つ。全長は99メートル、排水量は約24,00トンで、29ノット(時速約54キロメートル弱)の速度で移動することが可能。
コルベット艦の納入は、2018年に締結された二国間協定にさかのぼる。パキスタンの最も近代的な船舶の一つとなる全艦の納入は、2025年までに完了する予定だ。