
アンカラ:トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は19日、来週ニューヨークで開催される国連総会に合わせ、ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相と会談することを発表した。
NATO加盟国であり地域の競争相手でもある両国間には地中海や移民を巡る多くの問題があり、対立が続いている。
ヨーロッパが新たに直面している移民の問題に対応する上でトルコは重要なパートナーであり、支援を必要としている、とミツォタキス首相は17日に述べた。
エルドアン大統領はニューヨークに発つ前に記者会見を開いた。大統領は、約400万人の難民(大部分はシリア人)を抱えるトルコは移民問題の「最大の負担とマイナス面を引き受けて」おり、他国が何もしない場合には必要な行動をとると語った。
また、トルコはアルメニアとの話し合いの準備も整えているが、困難の多い輸送路を開くためにアルメニア政府にはしなければならないことがある、とも語った。
アルメニアとトルコは正式な国交を結んだことはなく、両国国境は90年代以降、閉鎖されている。
トルコが地域の同盟国であるアゼルバイジャンを支持しているため、両国関係は悪化している。アルメニアとアゼルバイジャンは昨年、ナゴルノ・カラバフ地域の支配権を巡って紛争を起こした。
しかし今月はじめ、アルメニアのニコル・パシニャン首相は、トルコ政府と関係修復に向けて話し合う用意があると述べた。
それに対し、「彼(パシニャン)がタイイップ・エルドアンに会いたいのであれば、一定の行動が取られるべきです」とエルドアン大統領は述べた。
大統領の言葉は、アルメニアを通り、アゼルバイジャンやナヒチェヴァン自治共和国(トルコやイランに隣接する地域)をつなぐ回廊の建設を意味している。
「(アルメニアとの)対話の道は閉ざされていません。私たちは話し合いを持ちます」と大統領は述べた。
「後ろ向きではなく前向きなやり方が優勢となることを願っています。神のおぼしめしがあれば、アゼルバイジャンとアルメニアの問題は回廊の開設によって解決するでしょう」
ロイター/AFP