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ジェッダ:スーダン暫定政府は21日、失脚した独裁者オマル・バシル氏の政権とつながる軍の当局者や民間人によるイスラム主義クーデター未遂を阻止した。
アブダッラー・ハムドゥーク首相は、策謀者らは「複数の都市の治安の崩壊…国道の封鎖、港湾の閉鎖、文民政府に対する執拗な扇動などに代表されるような、広範な準備を行っていた」と述べた。
ハムザ・バロール情報相は次のように述べた。「秩序は回復し、クーデター未遂の指導者は軍人、民間人を問わず逮捕された。当局はクーデターに参加した旧体制の支持者らを追っている」。
軍は、21人の軍の当局者を含め、関与した人間のほとんどが拘束されたと発表した。「軍は実行犯が奪おうとした場所の支配権を取り戻した」と、軍は述べた。「他に関与した人間に関する捜索と調査は現在も続いている」。
スーダンの陸軍司令官で統治主権評議会議長のアブドゥル・ファッターハ・アル・ブルハーン氏は、クーデター未遂が始まったハルツーム南部のアル・シャハラ軍事キャンプを訪問した。「もし成功していたら、この試みは軍や治安部隊、国の結束に壊滅的な結果をもたらしていた可能性がある」と、同氏は述べた。
「我々は、この国を、民意や、自由で公正な選挙に委ねたい」。
軍に対する演説の中で、強力な準軍事組織の司令官であるモハメド・ハムダン・ダグロ氏は次のように述べた。「我々はクーデターを起こさせない。我々は、過去とは違い、自由で公正な選挙を通じた真の民主主義への移行を望んでいる」。
21日の早朝、評議会に忠誠を誓う軍の部隊が戦車を使って、ハルツームとオムドゥルマンを繋ぐナイル川の橋を封鎖した。ある政府関係筋は、策謀者がオムドゥルマンの国営ラジオを掌握しようとしたと述べた。21日のその後の首都の通りは平静さを保ち、人々は普通に動き回っていた。
他の複数の都市では反クーデターのデモが発生した。東部のポートスーダンでは、デモ隊がスーダン国旗を掲げ、「軍事政権にはノーを」「クーデターにはノーを」と、シュプレヒコールを上げた。
スーダンに対する西側の関与を主導してきた米国、英国、ノルウェーは、国連と同様に、民主的移行を支持することを強調した。
バシル氏は、1989年のイスラム主義軍事クーデターで政権を握った。同氏は2019年に退陣させられ、ハルツームの刑務所でクーデターに関する裁判を待っている。
同氏は、ダルフールで少数民族の反政府勢力を迫害したとして、戦争犯罪、人道に対する罪、大量虐殺の罪で国際刑事裁判所の裁判も受けている。
2019年8月の権力分立協定の下、スーダンは、完全な文民による統治への復帰を監督する仕事を担う、文民と軍人の両方の代表からなる暫定政府によって統治されている。