ベイルート:セーブ・ザ・チルドレンは木曜、「ISとの関係が疑われる家族が足止めされ、混雑しているシリアのアルホル難民キャンプでは、毎週2人の子どもが亡くなっている」と発表した。
セーブ・ザ・チルドレンは、「EU諸国を含む多くの国々は、暴力、火災、栄養失調、病気などの危険にさらされている数千人の子どもを砂漠の荒野に放置している」と指摘している。
セーブ・ザ・チルドレンによると、シリア北東部のロジ難民キャンプとアルホル難民キャンプには、60カ国から集まった4万人の子どもが悲惨な状況のもとで暮らしている。
セーブ・ザ・チルドレンは、「世界で最も豊かな国々の多くが、この2つの難民キャンプに閉じ込められた子どもの大半を送還できずにいる」と述べている。
セーブ・ザ・チルドレンによると、今年に入ってから62人の子どもが暴力、病気、事故などの様々な理由で死亡している。
アルホル難民キャンプでは、今年に入ってから2人の子どもを含む計73人が殺害されている。
これらのリモートキャンプは、この地を支配するクルド人部隊が管理しており、元々はISとの関係が疑われ拘束された男性の家族を収容するためのものだった。
しかし、これらの難民キャンプにはISに占拠されたイラクやシリアから逃れてきた家族も多く収容されており、中には4年以上滞在している人々も存在する。
セーブ・ザ・チルドレンは、アルホル難民キャンプのフェンス内に閉じ込められて囚人のような生活を送り、各国政府が送還しようとしない子どもたちにインタビューを行っている。
5月にインタビューを受けた11歳のレバノン人少女は、「もうこの生活には耐えられないけど、ただ待つしかない」と語っていた。彼女はその後、給水車に乗って脱出しようとしたが失敗し、死亡したと報告された。
同慈善団体によると、フランスは両キャンプに320人の子どもを収容しており、35人が送還された。イギリスは60人を収容しているが、送還されたのはわずか4人だという。
セーブ・ザ・チルドレンのシリア対策担当責任者であるソニア・クッシュ(Sonia Khush)氏は、「ここから分かるのは、各国政府が紛争の一番の犠牲者である子どもたちを見殺しにしているということだ」と述べ、これまでの送還のうち83%はウズベキスタン、コソボ、カザフスタン、ロシアに向けてのものだったと語った。
この地域を管轄するクルド人当局は、「拘束された外国人容疑者全員を裁判する能力も、その家族を支援する能力もない」と訴え続けている。
フランスをはじめとする西欧諸国は、大規模な送還が国内の安全保障や世論に与える影響を懸念している。
AFP