
アラブニュース
ニューヨーク:世界的なテロとの戦いにおいて、協力と連帯が世界の「唯一の選択肢」であると、イラクのバルハム・サーレハ大統領が述べた。
国連総会での演説でサーレハ氏は、同じ各国首脳に対し、同国は過去40年間にわたって、戦争や虐殺に見舞われてきたと語った。
「集団墓地、化学兵器の使用、テロリズムが我が国のあらゆる都市に広がっていることは、ご承知の通りです」。
イラクの同首脳は「ダーイッシュの邪悪な部隊」に対する勝利は、一方ではイラクの陸軍と警察、ペシュメルガ、そして他方では地域および国際的な同盟国の共同的取り組みなしには不可能であったと語った。
サーレハ氏は、国際社会に対し、テロリズムへの資金供与と戦い、被害者に補償を提供し、「テロリズムの支配」から解放された、破壊された地域の再建を支援するよう、繰り返し呼び掛けた。
これにより、このような悲劇が繰り返されないようにすることができると、同氏は述べた。
「我々に今課せられた義務は、解放された都市を再建し、家を追われた人々が家に戻れるようにすることです」。
イラク大統領は、テロと汚職との結びつきについて長く話し、これはイラクの安全だけでなく、世界全体の安定を脅かしていると警鐘を鳴らした。
「我が国が汚職に直面しているのは、戦争や紛争による重荷が残り、これが国の資源の大部分を浪費し、イラク国民からそれぞれの土地の豊かさを奪ってきたからです」と、サーレハ氏は述べた。
「イラクにとって、汚職との戦いは真の国家的戦いです。汚職を何とか打倒しない限り、状況は正常化しません」。
サーレハ氏は、テロとの闘いと同様に、汚職対策のための国際的な同盟を改めて呼びかけた。
同氏は加盟国に対し、汚職に根本から対処し、奪われた資金をイラクが取り戻すのを支援するよう促した。
「汚職をなくさない限り、我々はテロをなくすことはできません。汚職はそれ自体が、暴力とテロによる政治経済の一部となっています」と、サーレハ氏は述べた。
「汚職とテロはつながっており、相互に強化し、しっかりと連動しています」。
サーレハ氏は、地域紛争に言及しながら、国連総会の参加者に対し、「過去40年間、イラクが本来の役割を果たせなかったこと」が、不安定感を悪化させてきた、これは、この地域での戦争や治安・政治システムの崩壊の結果だ、と語った。
シリアの紛争や長引くイエメンの戦争は「受け入れられない」と、同氏は述べた。これらの戦争を終結させることは「優先事項にすべきです」。
同イラク首脳は、「パレスチナ人に国家に対する正当な権利を認めることなく、平和は実現しない」と付け加え、この問題の世界的な、公正な解決に向けたイラクの呼びかけを繰り返した。
サーレハ氏は、和平の取り組みが成功するかは、「安全で安定した、完全な主権を持つ」イラクにかかっていると述べた。
同氏は次のように付け加えた。「これには、地域的、国際的な支援と同時に、争うような振舞いや、他国の紛争が我が国の領土の中で繰り広げられることを止めさせることが必要になります」。
イラクの大統領は、テロリズム、過激主義、気候変動、不安定な経済状況、「より多くの若者に仕事を提供できないこと」などの共通の問題に関して、新しい組織の形で、さらなる地域協力を行うことを呼び掛けた。
同氏はまた、先日の「バグダッド協力・パートナーシップ会議」が、「紛争の代名詞であったイラクが今では地域の人々や国家の利益が集まる場所になっている」ことを明確に示したと述べた。
イラクは来月の国政選挙に向けて準備を進めているが、これは「決定的なものとなり」、「地域全体に影響を与える」ことになるだろうと、サーレハ氏は述べた。
同氏は、「これまでのシステムの失敗」によって失ったイラクの有権者の信頼を取り戻すことの重要性を強調した。
そのために、「より公正で民意を代表する」新たな選挙法を成立させ、選挙の適切な運営を確実に実施するために、新たな選挙管理委員会が作られた。
サーレハ氏は、新たな選挙行動規範は「選挙の成功を保証することになるため、策略や操作のない、純粋に民意を尊重する議会と政府を通じた平和的な改革への道を切り開けるようになる」と述べた。