ナジャ・フーサリ
ベイルート: ベイルート港爆発事故の犠牲者の家族は、1 年以上も進展のない公式捜査の捜査妨害に抗議するために、集団座り込み抗議を行った。
2020年8月に起きた爆発事故の捜査は、レバノン政治の闇に沈んでいる。
閣僚や元首相を含む容疑者は尋問を逃れて、主任捜査官のタレク・ビタール氏を逆提訴している。
自由愛国運動(FPM)、ヒズボラ、アマルはすべて、ビタール氏の解任を求めており、拘束中の税関局長バドリ・ダヘル氏を含む容疑者の釈放を強行しようとしている。
高等司法評議会のメンバーがビタール氏の交代を強行しようとしたことにより、家族らは12日にベイルートの正義宮殿の外に集まった。
しかし、評議会の議長であるスハイル・アブード氏を含む2人の裁判官が出席を拒否したため、この提案は通らなかった。
犠牲者の1人の兄弟で、犠牲者家族らの代表者であるウィリアム・ナウン氏は、「定足数に足りなかった原因の裁判官」に感謝した。「裁判官や裁判所に問題はありませんが、捜査を妨害しようとしている人たちに納得がいきません。爆発で亡くなった人は数字ではなく、法廷は正義のためにあるのです」とナウン氏は述べた。
ベイルートの弁護士協会の元会長であるメルヘム・カラフ議員はアラブニュースに、ビタール氏を置き換える試みは「世紀の犯罪をもてあそび、正義、司法、法律に背を向けようとする企て」であると語った。
今回の抗議行動の前日には、犠牲者の家族は正義宮殿に石を投げ、いくつかの窓ガラスを壊していた。
数人の抗議者は、破壊行為と事務所に損害を与えた容疑で尋問のために召喚された。
このことにより抗議集団はさらに激怒し、「罪のない犠牲者の家族であるにもかかわらず、犯罪者として」扱われていると述べた。
カラフ氏 は召喚について、「すでに虐待されている被害者の家族に対する不審で不当な行為だ。事件を覆し、犠牲者の家族を侮辱することは許さない」と述べた。
サミ・ゲマイエル氏、ワダ・サデク氏、エリアス・ハンカシュ氏、ミシェル・ドゥエイヒー氏など、カタエブ党と改革派の議員の多くは、犠牲者の写真を手に持つ家族らと団結して抗議に参加した。
ハンカシュ議員は、「被害者の家族が召喚されているのに、犯罪で告発されている人たちは公聴会に出席せず、自分は法を超越していると考えるのは恥ずべきことです。彼らは司法の裏をかいています。どうして彼らは犠牲者の家族に平和的でいるようにと頼むことができるのでしょうか」と述べた。
12日の抗議行動に参加したガッサン・ハスバニ議員は、「どんなに時間がかかっても誰も罰を逃れることはできません、なぜなら常に権利者の方がより力があるからです」と述べた。
港の爆発は、倉庫に保管されていた1750トンの硝酸アンモニウムとその他の爆発物によって引き起こされた。
爆発はベイルートの海岸と周辺の地域を破壊し、230人以上の死者と6500人以上の負傷者を出した。
ビタール氏は、ハッサン・ディアブ元首相と、アリ・ハッサン・ハリル氏(財務相)、ガジ・ザイター氏(公共事業相)、ノハド・マクヌーク氏(内務相)の3人の元大臣を「意図的な殺人の可能性」と過失で起訴するために召喚していた。
全員が硝酸アンモニウムが危険な状態で保管されていることを知っていたが、安全対策を何もしなかったと主張されている。
アムネスティ・インターナショナルは12日、事故から2年以上経っているのに誰も説明責任を果たさなかったのは「不合理だ」と述べた。