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イスラエルの封鎖でガザの漁師の漁獲が困難に

ガザの漁師は全員同じ狭い区域に押し込められたために漁で収益を上げるのが難しくなっている。(AFP)
ガザの漁師は全員同じ狭い区域に押し込められたために漁で収益を上げるのが難しくなっている。(AFP)
ガザの漁師は全員同じ狭い区域に押し込められたために漁で収益を上げるのが難しくなっている。(AFP)
ガザの漁師は全員同じ狭い区域に押し込められたために漁で収益を上げるのが難しくなっている。(AFP)
ガザの漁師は全員同じ狭い区域に押し込められたために漁で収益を上げるのが難しくなっている。(AFP)
ガザの漁師は全員同じ狭い区域に押し込められたために漁で収益を上げるのが難しくなっている。(AFP)
ガザの漁師は全員同じ狭い区域に押し込められたために漁で収益を上げるのが難しくなっている。(AFP)
ガザの漁師は全員同じ狭い区域に押し込められたために漁で収益を上げるのが難しくなっている。(AFP)
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24 Oct 2021 08:10:52 GMT9
24 Oct 2021 08:10:52 GMT9
  • 飛び地の燃料価格が高くなると、漁業の運転費用が厳しくなり、沿岸に留まらざるを得なくなる
  • 先月、正規の漁業水域は15海里に拡大された

パレスチナ自治区ガザ:太陽が沈む中、パレスチナの漁師モハメド・アル・ナハル氏は波しぶきを上げながら地中海を突き進む。イスラエルのガザ地区封鎖の下で、今日も危険の多い夜間にガタガタした船団を率いる。

強力なエンジンの使用をイスラエルに制限され、海岸近くに留まらざるを得なくなった漁師たちは、乱獲で魚が減っている浅瀬で漁をしなければならない、と不平をこぼす。

「イワシが200キロ(450ポンド)獲れたら十分です」とナハル氏は言った。「でも、手ぶらで戻る可能性もあります」

飛び地の燃料価格が高くなると、漁業の運転費用が厳しくなり、沿岸に留まるしかなくなる。

「遠くに行くほど燃料費が高くなります。遠くで獲れる保証もありません」。ナハル氏はボート5隻の隊列を率いながら言った。ディーゼルとイワシの悪臭で空気が重たい。

イスラエルとエジプトに囲まれ、2007年からイスラム原理主義組織ハマスが支配するガザから見れば、外海は自由を約束しているように思えるが、それは欺瞞だ。

イスラエルの海軍は、ガザの40キロメートル(25マイル)の海岸線の沖合を完全に支配している。そして安全保障の状況に応じて、普段から漁場を制限したり拡大したりしている。

5月に起きたイスラエルとハマスの11日間の紛争の後、比較的穏やかな数か月が続き、先月、正規の漁業水域は15海里に拡大された。これは封鎖以来最大で、魚が豊富な深海も含まれている。

だが、ナハル氏の船団はあえてそこまで遠くに行こうとはしない。6マイル先が限界だ。そこはイワシ漁には適しているが、マグロなど価値の高い魚を獲るには海岸に近すぎる。

「私たち漁師は15マイル先に行けるエンジンを持っていません」とナハル氏は言った。「現在、そのような最新のエンジンでガザに入ることは禁じられています」

パレスチナの漁師の中には、遠方に漁に出るのを恐れている人もいる。過去に、イスラエルの砲艦が接近制限を強化するため、発砲して網を傷つけたこともある。

生計を立てるには機転が欠かせない。ナハル氏はボルボの自動車用エンジンを使ってボートを動かし、強いライトを点灯させている。ライトは、夜の海中を照らしてイワシを引き寄せるために必要だ。

封鎖による輸入制限のため、イスラエルは、音波式の魚群探知機など他の重要な機器の使用にも制限をかけている。

イスラエルは、「軍民両用」であることを理由にそのような機器を制限している。ハマスの武器生産に利用されたり、密輸船の強力なエンジンになったりする可能性があるというのだ。

また、ハマスが支配を開始して以来、飛び地で過激派が発射した何千ものロケットの標的になっているイスラエルの民間人を保護するため、封鎖は必要だと述べている。

だが、ナハル氏のボートの見張りをしている22歳のユセフ氏は、ガザの漁師が全員同じ狭い区域に押し込められたために漁で収益を上げるのが難しくなっている、と訴えた。

「海に魚が少ないです」と彼は言う。「私は14歳のときから漁で生活しています。毎日、海が開いている限り漁に出ます。それ以外に生計を立てる方法を知りません」

ガザには200万人あまりのパレスチナ人が暮らし、そのうち約半数は無職である。この地域の人々にとって海の魚は貴重なタンパク源だ。

しかし、この業界は乱獲に限らずいくつもの課題に直面している。

密集した都市部から処理の不十分な下水が海に流されていることもそのひとつだ。「海洋環境全体と公共衛生に影響を及ぼしている」と、2020年の世界銀行の報告書は指摘している。

世界銀行は「人々が生活の糧にしている魚の多くは、すでに乱獲されている」とも述べている。

今日、ナハル氏の成果はまずまずだ。

ボートは何時間も海中に強い光を当て、その区域を取り囲み、網を投げる。

「捕まえたぞ。好きな魚だからだ」。漁師たちは網を引き上げながら歌う。

疲れ切って陸に戻ると、漁師たちは混雑した港で獲物を売る。待ち受ける卸売業者に競売人が値を叫ぶ。

ナハル氏の半トンの魚は、90秒で3,000イスラエル・シェケル(935ドル)で売れた。

期待以上だったが、彼のコストと乗組員の賃金を引けば、この夜の収益はごくわずかだ。

AFP

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