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イランによる攻撃は避けられないが「限定的」:日本の政治家

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15 Apr 2024 04:04:51 GMT9
15 Apr 2024 04:04:51 GMT9

アラブニュース・ジャパン

東京:イランによるイスラエルへの攻撃について日本の政治家は、米国、イスラエル双方が事前に通知されていたため「限定的」であり、イラン政府は国内的な理由から行動を起こさなければならないのだとみている。

フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』に出演した与党自民党の小野寺五典元防衛相と立憲民主党の玄葉光一郎元外相は、イランによるイスラエル報復攻撃について議論、事態の見通しを語った。

自民党の安保調査会長を務める小野寺氏は、これまで「ガザでの悲惨な出来事」は「(地域の)中だけでとどまっており、コントロールされている」状況だという見方があったが、今後、中東戦争が避けられない状況にいたる懸念を示した。

小野寺氏は、攻撃が「テルアビブという中心の場所ではなく、(中略)考えた形で報復がなされるのであれば、何らかの形でまた冷静に話ができると思う」としつつも、「これが本格的にさらに第二波、第三波ということで、テルアビブとか、イスラエルの中核に行った場合には中東戦争が避けられない状況になるので、これからの状況はよく見ておかなくてはいけないし、国際社会がとにかくそれを抑えるという強いメッセージを日本も含めて早く出すべきだと思う」と述べた。

小野寺氏は、中東で大規模な戦争が始まった場合、日本にも大きな経済的影響があると付け加えた。日本は石油の90%をこの地域から得ている。

かつての外相である玄葉氏は、「現状を見るところまだ制御された形で攻撃をしている」とする一方、「イランの攻撃に対してさらにイスラエルが攻撃をする、さらにアメリカが攻撃をするというエスカレーションにならないよう絶対にコントロールしなくてはならない」と述べた。

玄葉氏は、イスラエルがシリアのイラン公館を襲撃したことに対して、報復せざるを得ないイランの国内事情について触れ、さらに「この(イランによる)攻撃に対してさらにイスラエルが攻撃をするとか、さらに、そこからアメリカが攻撃をするとかというエスカレーションにならないように、絶対にコントロールしなくてはならない」と語った。

番組コメンテーターの橋下徹元大阪府知事は、「お互いに妥協する、妥結するということしか収まりがないと思う」としつつ、日本や西側諸国はイスラエルによるシリアのイラン公館に対する攻撃を容認すべきではないと付け加えた。  

橋本氏は、大使館を「情報収集機関として使う、軍事的な拠点に使っていることはみんなわかっていながら、その大使館を攻撃しないという建前で国際社会が成り立っている中で、いかなる理由があっても大使館攻撃は、絶対ダメなこと」と述べた。

元外交官で中東専門家の宮家邦彦氏は、イスラエルとハマスの戦争の本質は米国とイランの代理戦争と言われているが、「イランは米国と直接対峙することに慎重」と指摘。大使館を攻撃されたことで国内の反発が抑えきれなくなり、限定的な攻撃に踏み切ったのだと分析した。

しかし宮家氏は、「万が一イランが判断ミスをして大規模な攻撃に踏み切って大きな被害が出るなどした場合は、局面が大きく変わる可能性もある」と警告した。

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