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国連パレスチナ難民救済事業機関が資金難に直面

UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長はヨルダンで記者団に対し、トランプ政権によって停止されていた米国によるUNRWAへの支援が今年再開されたが、他の支援国による資金提供の削減によって相殺されたと述べた。(資料/AP通信)
UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長はヨルダンで記者団に対し、トランプ政権によって停止されていた米国によるUNRWAへの支援が今年再開されたが、他の支援国による資金提供の削減によって相殺されたと述べた。(資料/AP通信)
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01 Dec 2021 04:12:26 GMT9
01 Dec 2021 04:12:26 GMT9

アンマン:国連パレスチナ難民救済事業機関の責任者は30日、資金難のために2万8000人の職員に今月中に給与を支払うことができないと述べ、世界的な感染拡大の中で数百万人の人々に不可欠な支援の提供が削減される可能性があると警告した。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)には中東全域で数百万人のパレスチナ難民が登録されており、UNRWAはこれらの難民のために学校や診療所を運営し、食料の提供を行っている。難民の大部分は、1948年のイスラエル建国をめぐる戦争で現在のイスラエルに含まれる地域から逃れたり、追い出されたりしたパレスチナ人の子孫だ。

570万人に上る難民は、イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸地区、東エルサレム、ガザ地区に加え、ヨルダン、シリア、レバノンのキャンプで暮らしている。これらのキャンプは建物が建設され、住宅地に作り変えられたが、人々は貧困にあえいでいる。

UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長はヨルダンで記者団に対し、トランプ政権によって停止されていた米国によるUNRWAへの支援が今年再開されたが、他の支援国による資金提供の削減によって相殺されたと述べた。

UNRWAはまた、2019年に性的不祥事や縁故主義などの権限濫用の疑惑が浮上する中で前任の事務局長が辞任するという運営の危機に陥った。
給与の支払いが遅れることを先週知らされたUNRWAの職員は29日、ストライキに入ったが、調停を経てストライキを中止したとラザリーニ氏は述べた。

ラザリーニ氏は、「世界的な感染拡大の最中にUNRWAが医療を提供できなくなれば新型コロナワクチンの接種活動は終了する。母子保健事業が停止し、50万人の子どもたちが学習を続けられるかどうかわからなくなり、200万人以上の最も貧しいパレスチナ難民が現金や食料の援助を受けられなくなる」と述べた。

「パレスチナ難民が必要とする人道支援は増え続けているのに、UNRWAに対する資金提供は2013年以降停滞している」
ラザリーニ氏によると、UNRWAは最近ブリュッセルで開催された会議で、2022年と2023年の予算の最大48%を賄う支援金を集めた。UNRWAはまた、年末までの活動を維持するために必要な1億ドルの不足分に向けて、6000万ドルを集めた。

ラザリーニ氏は、「11月分の給与がいつ支払われるかは、まだ言えない状態だ」と述べた。

イスラエルを含むUNRWA批判派は、UNRWAが73年に及ぶ難民危機を永続させていると非難し、受け入れ国が難民を永住させる負担を負うべきだと主張している。

パレスチナ人は、難民とその子孫には現在のイスラエルにある故郷に戻る「帰還権」があると主張し、受け入れ国もこの主張を支持している。イスラエルは、そのような権利が完全に行使された場合、イスラエル国内にパレスチナ人が多数を占めることになると述べ、帰還権を認めていない。

AP通信

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