
Najia Houssari報道
ベイルート: 土曜日、レバノンのサード・ハリーリー暫定首相は、深刻なドル不足に直面する中、食料品及び原材料物資の輸入を確保するための支援を要請している諸外国リストにさらにドイツ、イギリス、スペインを追加した。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相、イギリスのボリス・ジョンソン首相、スペインのペドロ・サンチェス首相に対するレバノン首相の要請は、サウジアラビア、フランス、ロシア、トルコ、アメリカ、中国、エジブトへの請願に続くもの。
レバノンの支援要請は同国経済の危機的な状態を浮き彫りにしている。レバノンは今や深刻な不況に陥りつつあり、世界銀行からその「高まりつつある経済及び財政的プレッシャー」について警告を受けている。
ハリーリー首相は「友好的諸国」に対し、「流動性不足に対処するための支援と、食料品を確保し生産に必要な原材料を供給するための輸入品に対する支払い猶予の提供」を求めている。
1年に及ぶ同国の財政危機は、ドルの払い戻しと海外送金に対する銀行側の厳しい規制によって悪化している。
蔓延する国民の不安と腐敗抗議運動は国家当局へ矛先を向け、40日前に政府辞職に追い込まれた。首相交代に関する合意がないまま、レバノンは1か月以上にわたって政治的膠着状態に 陥っている。
テクノポリティカルな政府を求めるミシェル・アウン大統領及びヒズボラ側と、熟練専門家による政府を求めるハリーリー首相側との間で合意が得られなかった今、月曜日に行われる国会諮問によって果たして新首相の任命に至るかどうかは定かではない。
土曜日、活動家グループは困窮する人々を助けるために中央銀行の前で募金活動を行い、拡大しつつあるレバノンの経済的苦境を訴えた。
不景気はベイルートの市場においても実感でき、多くの店舗が閉店し、人々がホリデーシーズンの準備をする中、スーパーマケットの商品棚は空っぽのままとなっている。
経営管理組合によれば、この2か月で260以上の食料品店舗や企業が閉鎖に追い込まれ、今月末までにはその数が465に増大すると予測されている。
「危機状態は今に始まったものではありません」とベイルート輸出入業者協会のトニー・エイド会長は言う。「レバノンは銀行や消費者間の流動性不足を目の当たりにしており、最近の世の中の動きはその危機を一層悪化させています。
衣料品店やレストランなど、何百という店や企業が営業を停止しており、大手輸入業者たちは海外からの輸入にも苦労しているのです」とエイド会長は語った。
「レバノンは病んでおり、痛み止めを処方されても一向に早期回復の兆しはありません」
ホテル経営者協会のピエール・アシュカー会長によると、ベイルート市内のホテルの客室専有率は7〜12%である一方、ベイルート以外では「0%」だと言う。
「これはホテル業界の近代史上最悪の状態です」と続けた。
「この経済危機の前は、ベイルートはこの都市の重要性を回復させようと努力していましたが、銀行施設が減少し、レバノンへの観光客は期待できません」と彼は言う。「キャンペーンを行って観光促進を働きかけていますが、それでもホテルの予約はありません。どこか他の場所で予約しているのです」
アシュカー会長によると、ホテルは業務の80%を閉鎖しており、客室階やレストランの一部を閉鎖してなんとか採算を取ろうとしていると語った。
目下、暫定内閣のカミール・アブ・スレイマン労働相は、臨時委員会を結成して集団解雇による法的紛争を取り締まっている。
労働省は、「労働省の許可なく行われた解雇はすべて任意解雇とみなされる」ことを検討した。「そうした手段の犠牲者となって法的賠償を受けられない人々は全員労働省に相談するべきだ」と言う。