• 「危機的な時期」に、王国が支援を提供してくれた、と中国大使は言う

ロジェン・ベン・ガセム

リヤド：「『困った時の友こそ真の友』という諺が、中国とサウジアラビア王国の友好関係を最もよく言い当てている表現となりました」と、中国のチェン・ウェイチン大使はアラブニュースに語り、サウジアラビアと中国の両国関係を回顧し、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）のパンデミックが始まった後、その両国関係がさらに深まったことに思いを馳せた。

両国がお互いに援助と、強力な支援を提供し合った、とチェン大使は語った。「中国の国民がCOVID-19との闘いに勝利しようと努めていた危機的な時期に、サウジアラビア政府と同国のあらゆる職業・地位の人々が支援の声を上げ、様々な方法で中国に援助を提供してくださいました」と、同大使は語った。

「サルマン国王の指示に従って、キングサルマン人道援助救済センターが中国側に喉から手が出る程欲しい医療物資を積極的に提供してくださいました。こうした医療物資は、最前線で働く医療従事者たちにとって、大きな精神的支援と大切な物質的援助となり、中国がこのウイルスを効果的な抑制する上で、重要な役割を果たしました」

この感染症の発生以来、中国の習近平国家主席とサルマン国王は電話で3度も話し合い、両国はCOVID-19の予防と抑制において、高いレベルの連携を図ってきた。「このパンデミックがあったからこそ、両国関係はより目覚ましい進歩と発展を遂げたのだと思います」と、同大使は付け加えた。

チェン大使によると、中国とサウジアラビアは4月にCOVID-19に直面して、9億9,500万サウジアラビア・リヤル(2億6,529万ドル)に相当する協定に署名し、中国がサウジアラビアに900万回分の核酸増幅法の検査に必要な材料と設備を提供し、双方が王国内の主要地区6カ所に、検査用実験室を設置した。「両国間のコロナに関連した協力は、このパンデミックを抑制し、ピーク時の感染者数を減らすために重要な役割を果たしてきました」と、同大使は語った。「中国はパンデミックの予防と抑制において、サウジアラビアとの密接な連携を積極的に維持し、早い時期にこのウイルスを終息させるために、サウジの人々を十分に支援します」

中国は世界で初めてこの感染症例を報告した国として、支援のために、そしてCOVID-19との闘いを手助けするために、医療専門家チームも王国に送った。中国の専門家たちは、サウジアラビアがCOVID-19に対処するための知識が豊富で、準備万端であると考えており、同国はこのパンデミックを抑制する能力が十分にある、と同大使は指摘した。

「両国間の防疫係官や専門家たちは、中国の医療関係者がサウジアラビアに向けて出発する前に、オンライン上で意見交換会を行っていました」と、同大使は語った。「中国とサウジアラビアの行動で明らかなことですが、このパンデミックと闘うための唯一の正しい選択肢は、一致協力することです。そして、結束と連携が最も強力な武器だということです」

習主席はまたサルマン国王と電話会談を行って、パンデミック対策で連携することの重要性、とりわけワクチンの研究・開発における連携の重要性も強調した、と同大使が語った。「私たちはサウジのカウンターパートと一致協力し、2人の国家元首のほぼ一致した意見を実行し、出来るだけ早い時期に、この2つの国民とその他の国民に恩恵をもたらすために、私たちの努力を倍加させるつもりです」と、同大使は語った。

世界中の国々にとって、結束と連携がこのパンデミックを克服するための唯一の方法であると同大使は強調した。「今年G20の議長国の資格を持つサウジアラビアは、このパンデミックとの闘いにおいて、世界的な協力を強化するための重要な指導的役割を果たしています。中国は世界平和と安定的発展を厳守し、パンデミック後の時代に世界の景気回復を促進し、世界の産業・サプライチェーンの安定性を維持し、医療とデジタル経済を始め、新たなテクノロジーと新たな産業において連携を図るために、サウジアラビアと一致協力する準備はいつでもできています」

サウジアラビアの90周年となる建国記念日を祝う折、チェン大使はサルマン国王、ムハンマド・ビン・サルマン王太子、サウジ政府、サウジ国民を祝福した。「今年はまた、中国とサウジアラビアの外交関係樹立30周年にも当たります」と、同大使は指摘した。「両首脳のご配慮と両国の共同努力のおかげで、中国・サウジアラビア関係は注目に値する発展を成し遂げました」

「たとえ世界の状況がどのように変わろうとも、中国は常にサウジアラビアを仲の良い友人、パートナー、兄弟と思っており、中国とサウジアラビア両国の包括的な戦略的パートナーシップを維持発展し続けます」