
ベイルート:金曜日、ユニセフは、レバノンで扱った児童虐待と搾取の件数は、国内の経済崩壊のために過去1年間でほぼ2倍になったと述べた。
レバノンの人々は大きな困難に苦しんでいる。国内では前例のない史上最悪規模の経済危機が起こり、インフレと失業率の急上昇も相まって、人口の80%以上が貧困に陥っている。
この状況から、保護者は子どもたちを働かせ、娘を低年齢で結婚させるようになっている。路上に遺棄される乳児も増加している。
「それは受け入れられることではなく、防げることでもある。そもそも政治的、財政的危機を理由にこの権利侵害を正当化することはできないと考える」と、現在レバノンを訪れている、児童虐待に関する国連特別代表のナジャート・マーラ・ムジッド氏は語った。
AP通信によると、ムジッド氏は「金融危機であるとしても、これは付加的な経費ではなく投資として考えるべきだ。それも明日に備えての投資ではない。子どもたちは今生きているからだ」と述べた。
ムジッド氏は確実に子どもを保護できるように法律を見直すことを促した。児童婚に罰則を科す、社会福祉を子どもに拡大して制度化するといったことだ。
「やるべきことは誰もが分かっている。問題はなぜやらないのかということだ」とムジッド氏は言い、問題の緊急性を訴えるためにレバノン当局者に会って話をすると付け加えた。
ユニセフは、レバノンの8世帯に1世帯が子どもを働かせていると推定している。ユニセフと国家機関の統計によると、レバノンの15歳から19歳までの女子の4%が結婚している。
レバノンの人口600万人の16%以上を占めるとされるレバノン在住のシリア難民コミュニティの状況はさらに悲惨だ。
就労しているシリア難民の子どもの数は、2019年から2021年の間に2倍の約28,000人に増加した。多くは男子で、虐待、搾取、過酷な労働環境にさらされている。レバノンの15歳から19歳までのシリア人女子の5人に1人が結婚している。
ユニセフによると、これらの数値は増加の現象を低く見積もっている可能性が高いとしている。
ユニセフとそのパートナーが扱った児童虐待と搾取の件数は、2020年10月から2021年10月の間に3,913件から5,621件に増加した。
一方、180万人以上の子どもたちが、基本的なサービスを受けられない多次元貧困と呼ばれる地域に住んでいる。2019年の90万人から増加した数字だ。学校を中退する子ども、路上で暮らす子どもも増えている。
「子どもたちにとって前例のない危機だ」とユニセフ・レバノン事務所代表の杢尾雪絵氏は述べた。「対策を行わなければこの世代が失われる。レバノンの未来が失われる」
AP