フランク・ケイン
ドバイ: 世界指標となるブレント原油価格が上昇してこの2年余りで初めて70ドルを突破した火曜日、サウジアラビアとロシアが主導するOPECプラスの同盟産油国は、増産への動きを維持した。
30分という記録的な短時間で終了したOPECプラスの閣僚会議は、「ワクチン接種計画の加速により世界のほとんどの地域で経済回復が続いた結果、引き続き石油需要は改善している」と指摘し、7月までに日量200万バレル以上にまで増産するとの計画を堅持した。
サウジのエネルギー相アブドル アジーズ・ビン・サルマン王子は、「明らかな改善の兆し」が見られるとし、米国や中国といった経済大国の石油消費が増えつつあると述べた。
とはいえ、「先行きはまだ不透明」とし、月次ベースで状況を見守り続けるようOPECプラスに促した。
アブドルアジーズ王子は、炭化水素燃料へのさらなる投資は必要ないとする国際エネルギー機関の最近の見解に対して、これは「映画『ラ・ラ・ランド』(至福の世界の意)の続編だ」との率直な評価を述べた。
サウジは約850万バレルという現行レベルからの増産を検討するかも知れないが、今年後半に需要が急増するという明確な兆候はないと王子は示唆し、「私はそれを目にしてから信じる」と述べた。
また、「サウジアラビアはもはや単なる石油産出国ではなく、エネルギー産出国であり、非常に高い競争力をもっている」と付け加え、石油やガスの生産コストが低いことに加え、太陽光や水素といった再生可能エネルギーのコストも下がっていることを指摘した。「我々はこれらの活動すべてで勝者となるだろう」と彼は述べた。
会談では、核政策に関する合意の結果としてイランの石油が市場に戻ってくる可能性を考慮していないと彼は指摘した。この可能性は直ぐにでも起こり得ると何人かのアナリストが示唆している。「結論はまだ出ていないのだ」と彼は言った。
価格の上昇が米国のシェールオイルの増産につながる可能性を懸念しているかとの問いに対しては、「私は何も気にしていない」と述べた。